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1973年版映画『日本沈没』小野寺君ライダー

で、いつ変身してくれるのかな?

東宝特撮映画 DVDコレクションVol.6で、1973年の映画版『日本沈没』を観た。高度成長に沸く昭和の日本である日、日本列島が沈没することが明らかになり、さあ大変という映画。平成日本版はすでに鑑賞してますが、1973年版の方が面白かった。

特撮シーンは基本的にミニチュアですが、かなり気合いが入っており、造り物とわかっていても楽しめる。日本が沈没するというテーマだけに、ブッ壊しまくり、フツ飛ばしまくりが爽快。動の特撮シーンが迫力満点な一方、静の会話シーンは小声でボソボソ喋っているので聞き取りづらい。ここらへんは、劇場で観るべき映画だから当然か。主役が藤岡弘さんなので、いまにも仮面ライダーに変身しそうなモミアゲっぷりでした。

パニック物のテーマとして、世界滅亡ではなく日本列島だけが沈没するというのは、いささか小規模ではありますが、その分、日本人にとっては身につまされる題材ではある。この作品が他と一線を画するのは「日本が沈没するなら、いっそこのまま滅んだほうがいい」という意見が提示されること。他国のパニック物で、そういう考え方は、なかなかお目にかかれないと思う。

『日本沈没』は平成漫画版にハマッてから、原作、映画、マンガと一通りおさえたつもり。あとはテレビドラマ版と、ラジオドラマ版と、『日本以外全部沈没』かな。

平成漫画版『日本沈没』最終15巻で消えない愛のひかり

平成漫画版『日本沈没』の最終巻である、15巻を購入。

14巻の装丁は黒一色で、15巻は白一色でした。ついに日本が完全に沈没するというところで、まさかの楽屋落ちへのニアミスをかまし、さいごは幼年期の終わりばりの、高次元への移行を明示する。作中でも指摘されているとおり、どれほどの苦難があろうとも、「つぎのステップへ進める可能性」が明示されているぶん、日本が沈没するというファンタジー世界のほうが、まだ希望がもてるのかも。オーバーマインド(精神的な超越的存在)にはなれない我々は、おめおめとオーバーロード(物質的な究極的存在)をめざすしかないのでしょう。

単行本化にさいして、スピリッツでの雑誌連載版よりもいろいろ加筆されており、終盤のじゃっかん尻切れトンボぎみだった展開がスッキリしています。そのうち、一気にぜんぶ再読してみますよ。

平成漫画版『日本沈没』完結

スピリッツで連載されていた平成漫画版『日本沈没』が完結。

ある日、日本列島が沈没することがあきらかになり、さぁ大変……でもホントは地球が大変っぽいという物語。

連載期間3年、平成映画版とのタイアップ作品であり、数々のオリジナル要素を加味しつつも、原作小説で語られた分をほぼ消化。最終回一歩手間であわやの楽屋オチというアクロバットまでやらかして、さいごまで油断のならない展開でした。

伏線が回収しきれておらず、このままオリジナル展開の第二部『世界沈没』でも描けそうないきおいですが、そこで終わらせてしまうあたりが原作小説のダイジェストっぷりを踏襲しているのかも。つまりは『幼年期の終わり』的な展開につづくという認識でよろしいでしょうか?

いまの日本人(というか人類)はなっちょらんという、人類補完計画ならぬ人類ポカン計画――などという甘美なリセット願望が実現しそうもない、「幼年期の終わらない」われわれは、温暖化しつつあるこの世界で、おめおめと明日を生きるすべを模索していかねばと思いました。

コミックス最終巻までおつきあいさせていただきます。