格安スマホに落とし物防止タグ『Tile Mate』をつけてみた

おおよその位置を把握してから鳴らせるのは心強い。

以前、落とし物捜索用にBluetoothタグ「Potensic キーファインダー」をつけてみたのですが、1週間ほどで運用を断念。親機とのBluetooth接続がすぐ切れてしまい、押しても鳴らない状態が頻発して、単なるお邪魔グッズと化していた。値段なりのクオリティということか。

かわりに購入してみたのが落とし物防止タグ『Tile Mate』。以前のものは同価格帯でタグが6個ありましたが、こちらはたったの1個。しかも電池交換不可なので、約1年で電池が切れたら新しいのを買ってくださいというストロングスタイル。ぎゃくにいえば、電池が切れるまではバッチリ動きまっせという自信に満ちあふれているワケで、「Potensic キーファインダー」のヘタレっぷりに辟易した身としてコレはこれでアリかなと、ひとつ購入。白くてひらたい、3センチ角ほどのタグで、ボタンがついてる。スマートフォンとペアリングして、スマホからタグを鳴らすこともできるし、ぎゃくにタグのボタンを2回押ししてスマホを鳴らす事もできる。どちらか手元にあれば、どちらかを鳴らせるという寸法。

さいしょは携帯電話につけてたのですが、なくしたら電話をかければすむので、さいきんは格安SIMを挿したAndroidスマホ「Xperia Z5」につけてる。コチラは通話できない契約なので、着信音を鳴らせないってのもありますが、サブスマホだけに数日放置してバッテリーが切れた状態になることがあるから、電源断でもタグが鳴って位置を知らせてくれるのは便利。あと、地味に役立つのが、スマホとタグがBluetooth接続できるか否かで、近くにあるかを教えてくれる機能。タグを鳴らすにしても近くになければわからないわけで、おおよその位置を把握してから鳴らせるのは心強い。

購入してから半年ほどたちましたが、いまのところ電池が切れる気配はなし。スマホとタグ付きデバイス間で双方向に音を鳴らせるので、あちこち漁ることがすくなくなりました。また、実際に試したことはありませんが『Tile』規格の物防止タグは、本人以外の利用者のスマホで検知された場合も場所を教えてくれるらしい。紛失や盗難に遭ったばあいでも、タグが『Tile』利用者の付近を通過すれば位置情報がわかる。タグの現在位置がわかるとはかぎりませんが、どのあたりを通過したかをトレースできるのは捜索の手がかりになる。タグはサブスマホにつけてるけど、サブスマホをカバンに入れておけば、カバンをなくしても位置を追えるわけで、実用性は高い。使い切りタイプなら、もうひとまわり薄く、ちいさくできないモノかともおもいますが、そこらへんは今後の新機種に期待ということで。

この記事を書いてるうちに追加された機能ですが、スマートスピーカーである「Amazon Alexa」へ『Tile』が対応したとのこと。

さっそくAlexaのスキルで『Tile』を追加したところ、「アレクサ、タイルでiPhoneを鳴らして」と指示すると、親機のiPhoneが、「アレクサ、タイルでエクスペリアを鳴らして」と指示すると、サブスマホにつけた『Tile Mate』が鳴りました。反応するキーワードは『Tile』のスマホアプリで設定できる。英字で登録した「iPhone」は日本式の発音で認識しましたが、Xperiaはアプリに「エクスペリア」とカタカナで登録しないと音声認識しませんでした。

ただ、「アレクサ、タイルで○○の場所を教えて」と指示すると正確な住所を教えてくれるのは、第三者がAlexaにたずねて場所を特定されたりしたらコワイなと思った。Alexaが勝手に会話を録音して他人に送信した、なんて事件も起こってますしね。まぁ、使い方次第でしょう。

iPhone XのSuica定期券機能がいまいち不安定

プチ不愉快な思いをさせられるのは、いただけないですね。

昨年末にXperia Z5から機種変更したiPhone X。iPhoneの使い勝手については、格安Sim+iPhone 5Sにて確認していたので大きな戸惑いはなし。新機能の顔認証やアプリの切替操作などは、以前のiPhone機能にさしたる思い入れもないので便利に使ってます。おおくの方が気にされている、ノッチと呼ばれる凹状の上部でっぱりは、対応アプリ以外は上下に黒線が出てかくれてしまうし、画面比率16:9の動画も拡大表示でもしないかぎり横の全画面表示で左右に余白が出るため、気にならないというか、気にしようがない。最新のiPhoneなのでゲームアプリの動作も快適です。

おおむね満足なのですが、どうしても気になる点が。それはモバイルSuicaの定期券による改札のタッチについて。すべての改札で発生するわけではないようですが、いちぶの改札をタッチして通過するとき、たまに認証失敗の赤ランプが点灯してゲートが閉じかけてから、認証が成功して通過できるという動作をする。さいしょは不正通過かとおもい、駅員に確認してもらいましたが、問題なく通過はできてるみたい。成功する一瞬前に失敗しかけるという動作にみえます。

運用的に問題があるのかとおもい、背面をおおうケースではなく、周囲のみを保護するダンパーに交換したり、タッチの方法をあれこれ変えてみたりもしましたが、改善せず。ちなみに、iPhoneのおサイフ機能は、背面にあるリンゴマークのあたりではなく、カメラ脇の上端にあるので、Fericaポートに背面をあてるというより、上端をくっつける感じでタッチするほうがいいみたい。

端末によって個体差があるようですが、iPhone XのSuica機能に問題があることは、それなりに話題になっているようで。

僕と似た症状のかたがおられることがわかったのと、一瞬失敗しかけるけど、不正通過になるわけではないので、気にしないことにしてる。EdyなどSuica以外の電子マネー機能が使えないのも、納得ずくで機種変更しました。ただ、AndroidのモバイルSuica定期券でこのような不具合はなかったので、おサイフ機能についてはXperia Z5から劣化しているといわざるを得ません。10万円を超えるハイエンド機で、プチ不愉快な思いをさせられるのは、いただけないですね。問題がiPhone X側にあるのか、Suica端末側にあるのか不明ですが、そろそろ根本的な解決をしていただきたいところです。

耳穴をふさがないワイヤレスヘッドフォン、ambie『wireless earcuffs』

聞こえなきゃ意味がないですし。

ヘッドフォンが苦手だ。耳穴にねじ込むタイプのものをしばらく装着していると、すぐに耳が痛くなってしまう。最近まで使用していたのは耳を覆うタイプのワイヤレスヘッドフォン、『AKG Y45BT 』。1年以上使用してきましたが、なかなかに快適。Bluetoothによるワイヤレスヘッドフォンでありながら、有線ポートもあるので、ワイヤレス接続できない機器、あるいは音ゲーなど音が遅延してほしくないゲームアプリ、ゲーム機などでも利用可能。バッテリーは1日数時間利用で1週間は持ちます。音質もそれなりによく、移動中の音源として重宝してました。

難点をあげれば、密閉型なので耳が蒸れやすいことと、夏場はイヤーパッドが汗臭くなりやすいこと。左右が出っぱってるので、電車のつり革などに左右をゴツゴツぶつけやすいこと。また、外部の音が聞こえづらいので外歩き中は危険というのもある。

そこで、さいきん購入したのが、耳穴をふさがないワイヤレスヘッドフォンだという、ambie『wireless earcuffs』。以前に出ていた有線タイプのものを無線化したバージョン。特徴はなんといっても耳穴をふさがず、ヘッドフォンとしての音が聞こえるうえに、外部の音もちゃんと聞こえるというもの。スピーカーの穴が耳穴の手前にくる感じで、蒸れたりもしません。操作は首に巻くパーツでおこないますが、こちらから音はでません。

最初、装着に手間取り、しばらくつけてたら耳が痛くなってきて、コリャだめかなと思ったけど、つけかたが悪いだけだった。なれるまでは、左右の耳たぶにはさんでから、すこし上にスライドさせて音の出る先端部が、耳穴の手前になる感じで装着するといいでしょう。Xperia Z5とペアリングしてradikoなどを聞いてますが、音量は最大かひとつ下ぐらいで適度な音量。音質はかるく、『AKG Y45BT 』と比べちゃかわいそうクオリティ。ただ、耳穴をふさがないため外部の音もクリアにきこえるのは不思議な感じ。数日使用してみましたが、装着に手間取るものの使用感は軽快かつ快適。通勤で使用しているあいだなら、耳が痛くなることもありません。操作ユニットやケーブルが頬にあたって気になるときもありますが、なれれば大丈夫。

『wireless earcuffs』独自の欠点としては、周囲でアナウンスなど大きな音が発生するとヘッドフォンの音が聞き取りづらくなってしまうこと。こればかりは開放型の欠点。対応策は、手で耳を覆って外部の音を遮断すれば、いちおう聞こえるようにはなる。ヘッドフォンをしてるのに耳を覆うのは、ちょっとマヌケですが、抜けがちな低音がはっきり聞こえるようになったりするので、意外に実用的なテクニック。周囲の音が聞こえるという最大の美点を殺してしまうことになりますが、聞こえなきゃ意味がないですし。あと、他の方のレビューを読むに、耳にフィットしない場合もあるようです。できれば実機で装着感を確認してから購入するのがよろしいかと。

『wireless earcuffs』は有線接続不可なので、『AKG Y45BT』よりも使い勝手は悪い。けど、さいきんは携帯ゲームをあまりやらないし、音が出せる環境以外は消音してるから問題ありません。外部の音も聞こえて、ヘッドフォンの音も聴ける、耳が痛くならないヘッドフォンとして愛用しようと思います。

アップデート好きもギブアップ、最新のGeForceドライバは要安全確認

疲れたよ、もう。

ここ最近、自宅のデスクトップパソコンが不調になる事態が発生。不意に再起動したり、ブルースクリーンになったり。スペック的には問題ないものの、購入から7年以上。さすがにリプレイス時期かと思いましたが。本機はWindows 7からWindows 10にアップグレードしたもの。それゆえ、機器のドライバ類がいちぶWidows 7のままのものがあった。これが悪さしているのかと、のきなみドライバをWidnows 10用にアップデート。さらに不要なアプリケーションを削除し、システムのエラーログから不具合になりそうなエラーを片っ端から出ないように。さらに本体内部をあけて、物理的にホコリを清掃。接触不良改善のため、メモリやコネクタ類を挿抜。などなど、リプレイス以外でやれそうなことはひととおり試してみた。信頼性モニターをみると、Windowsの荒くれっぷりがおわかりいただけるかと。

けっきょく、いちばんの不具合原因と思われるのはグラフィックボード『GeForece GTX 760』のドライバソフト。ちょうど不具合が多発していたころのバージョンが「391.01」で、コレの評判がすこぶる悪い。いったん、「390.77」に切り戻してから、その後リリースされた「391.24」にしたところ、ピタリとトラブルが終息。日ごろはアップグレード大好き、不具合上等で速攻、最新版にしてしまうほうなのですが、GeForceのドライバについては、最新版がリリースされても様子をみて、地雷ドライバでないことを確認してからアップグレードするようにします。疲れたよ、もう。

au STARでポータブルスピーカー『ANKER Sound Core』をもらう

おもったよりよい感じ。

なんだかんだで、auスマホをながく使っている。通話はワイモバイル端末にまかせているので、バッテリー切れなどかまわずに処理の重いゲームをガンガンプレイできます。とはいえ、さいきんはauスマホも動作は安定してるし、VoLTE対応で音質もよくなったからメインにしてもいい気はする。けど、やっぱり音声端末は専用機というオールドタイプなコダワリはつづけていくんだろうな。

そんな感じで、auスマホの契約を継続したら、au STARというサービスで3000円のクーポンをもらった。三太郎の日もそうだけど、物納するぐらいなら通信費を安くしてくれとは思う。とはいえ、くれるものはもらう主義なので、ギフトセレクションのカタログからポータブルスピーカー『ANKER Sound Core』をチョイス。

Sound CoreはUSB充電できるポータブルスピーカーで、Bluetooth接続でワイヤレス接続できる。Amazon Echo用に音質のよいスピーカーがほしかったけど、追加で買うほどではないと思いとどまってたので、ナイスなタイミング。

スマホのAlexaアプリでAmazon EchoとSound Coreをペアリングすれば、Bluetooth接続完了。音質に安っぽさはなく、おもったよりよい感じ。気軽に音楽を聴くにはじゅうぶんな性能。バッテリー駆動もできるので、出先でも使えます。ANKER製品はモバイルバッテリーでお世話になってるけど、スピーカーもいいね。

落書き上等な電子黒板『ブギーボード BB-10』

まずは、ちゃんと線が引けるようにならないと。

最近、めっきり絵を描かなくなった。原因はいろいろあるけどまず、落書きをしなくなったのが大きい気がする。学生時代はノートや教科書の片隅に落書きしてたけど、社会人になるとなかなかノートをとる機会がない。いや、いまも本当に重要なコトはノートにメモしてますけど、ついでに落書きとはならない。なんとか気軽に落書きできるツールはないものか。そこで前々から気になっていた電子黒板、ブギーボードの新型、BB-10が発売されるので購入してみた。

専用ペンがついてますが、筆圧式なのでツメでも楊枝でもOK。黒地にグリーンの線が描けます。消去ボタンで一括消去できるのみで、部分消去は不可。消しゴムツールがないのは善し悪しですが、一発勝負で描かなければならないというのは、練習用としてはアリだと思ってる。ペンの引っかかりがいいので、ひたすらフリーハンドで丸や網掛けなどの基礎練習をするのには便利。

消去ボタンの下にロックボタンがあり、これをONにしておくと加筆はできるけど消去ボタンが無効になる。あやまって消去ボタンを押してしまう場合があるので、消したくない時や大作の制作中はONにすべきかと。筆圧を感知してくれるので、線の強弱がつけられる。ただ、弱すぎると描けないし、強すぎると線がぼやけてしまう。僕は筆圧が強いほうなので、線がぼやけやすい。「レ」のように描くと角の部分がシャープにならず、丸くにじんでしまうのはイマイチ。鋭角は2本線で描くべきか。

消去ボタンを押すと、一瞬ではなく二瞬ぐらいかかり、微妙に残像がある場合も。モデルによっては描いたものを直接通信で取り込めるモノもあるようですが、コレには通信機能がないので保存は写真に撮るしかない。描いているうちにホコリが付着するので、記録用に写真を撮るなら事前にエアダスターなどで払っておく必要がある。オフィシャルで「Blackboard by boogie board」というアプリがあるので、これで撮影すると斜めの画像を平面に加工してくれます。BB-10用ではないので、最初のユーザ登録でシリアルを入力することはできませんが、スキップしても使えました。

フォトショップで調整すると以下のような線画にできましたが、思ったより面倒くさかった。ブログのカット描き用にしようかと思ったけど、BB-10は練習用にして、パソコンで直接描いたほうがいいかも。

僕の絵は、下手ではないが上手くもないレベルなので、もうちょっと素人なりにマシになりたいと思います。まずは、ちゃんと線が引けるようにならないと。がんばろう。

鎌倉を舞台にした【短編小説】『死神俥夫は眠れない』を公開 #twnovel

道楽の邪魔はさせません!

みじかい小説を書いてみました。炎上案件で疲れた青年が、鎌倉駅のホームでみかけた白い女性俥夫の人力俥に乗って、夜の鎌倉をめぐる物語です。

死神俥夫は眠れない

郁雄/吉武

 横須賀線の車窓に側頭をつきながら、流れる鎌倉の夜をながめている。
北鎌倉側から鎌倉駅のすぐ手前に、朽ちた洋館があったはずだ。
子供のころから廃屋だったあの館は、はじめから廃墟の姿で建てられていたのかもしれないな。
そんな想いをたゆたわせていると、いつしか電車は鎌倉駅をすぎ、逗子駅へと到着するところだった──。

──次に意識を取りもどすと、下りの電車は、上りに変わっていた。
西田解(かい)は鎌倉駅で東京行きの電車を降り、ホームの北側で、闇に流れる二筋の線路をながめている。
──また、切り戻しだな──。
帰宅ラッシュの時間はとうにすぎている。ひと気のないホーム北端のさらに先には、東側の小町通りと西側とを結ぶ踏切があり、ときおり、ひとや自動車がわたっていく。
青年は無意識のうちにズボンのポケットに手をつっこみ、じゃらつく感触をたしかめる。四角い穴のあいた金属片が六枚、たしかにあった。
アナウンスが横須賀行きの列車が到着することを告げると、北端の踏切が鳴りはじめ、遮断機がおりる。
そう言えば、あの踏切の小町通り側に、例の洋館があったはずだ。
やがて北鎌倉側の闇から、光る大蛇のような電車が流れてきた。
現場に缶詰になって三日。仮眠はとっていても、疲労が蓄積していた。
システム障害からの切り戻し作業はまだ完全には終わっていないが、ひとまず自宅に戻れる。残件である、成果物せいかぶつの納品手順を思い浮かべながら、接近する電車を見つめていると──。
不意に、足元でなにかがきしむ音がして、体がふらつく。
傾斜する視界の先に、先頭車両の閃光が近づいてくる。
拡大する電車の脇に、白いなにかがみえた気がした。
衝撃で正気を取りもどすと、西田はホームの縁で尻もちをついており、眼前では減速した横須賀線が停車するところだった。起き上がり、あらためて踏切の先を凝視する。
そこにあるのは廃屋ではなく、白い洋館。
玄関前に、白い人力俥と俥夫が客待ちをしていた。
思わず、ホームを飛びおりようとしかけたが、思いなおして反対方向、ホームのなかごろにある改札口をめざす。
西口改札を出て、旧鎌倉駅舎の時計塔が飾られた広場の脇を抜け、横須賀線のホームを右手にみながら自転車のならぶ小道を北に駆ける。
思った以上に距離がある。北端の踏切につくころには、かるく息が上がっていた。
闇に浮かぶ白い洋館の前に、俥夫と人力車は、たしかにいる。
洋館は最近改装されたというより、最初からこうだったと言わんばかりのたたずまいだ。
さきほど見おろしていたホームの突端を見あげながら、踏切へはいる。
背後で警報器が鳴りはじめた。
西田が小町通り側に駆け込むと同時に、遮断機が背後をふさぐ。銀色のゲートを抜け、一直線に俥夫の元へ進む。
観光地の俥夫と言えば、浅黒く日焼けた男性のイメージだったが、白装束の俥夫は、若い女性だった。
二十六歳の西田と同年代か、わずかに若い。
人力俥も俥夫も、真珠のような光沢をはなつ白を基調とし、要所を黒と茶と金で締めている。
なにより目を惹くのは、女俥夫の整った顔立ちと、街灯に照らされた白い肌。長い黒髪は後頭部でまとめられ、白い法被には白鳩屋と刺繍されている。
色白の女性であることは異質だが、鍛錬された体躯と、凛としたたたずまいには、無言の安心感がただよう。
「あの、西田と申しますが……」
そう言いかけてから、自分がなぜ、ここへはせ参じたか、その理由が思い出せなかった。
大切ななにかを切望していたことだけが強く脳裏に浮かぶのみだ。
西田が言葉を紡ぐより先に、女俥夫がよく通る声音で告げる。
「いらっしゃい。白鳩屋、夜の鎌倉巡行です。行き先はおまかせ、お代は六文になります」
六文? 二十一世紀の日本で、おかしなことを言うなと思いながら、癖でズボンのポケットに手をつっこむと、なかから寛永通宝と刻まれた古銭が六枚、出てきた。
「お、お願いします」
わけがわからないが、そのまま差し出す。
「文銭六枚、たしかに頂戴いたしました。では、梶棒の間に前をむいて立ち、うしろむきにお乗りください」
女俥夫は、白い人力俥の車軸に引っかけてあった踏み台をおろし、車体をおさえて乗車をすすめる。
よくある人力俥はふたり乗りだった気がするが、これはひとり乗り。
後傾した幌に囲まれた白い椅子を背にして、おっかなびっくり俥に乗ると、板ばねがふわりと衝撃を吸いこむ。
中背の体がぴたりと嵌まった。背もたれに身をしずめて周囲を見わたすと、自転車や自動車よりも視線が高い。
女俥夫は、白い膝掛けで西田の下半身を覆うと、両脇の隙間を埋めるように端をおさめる。じんわりとしたぬくもりが心地よい。
「……申し遅れましたがわたくし、白鳩屋の俥夫、小鳩こばとと申します。以後、お見知りおきを」
小鳩と名乗った女俥夫は、手漉き和紙の名刺をくれた。
静かに梶棒が上がり、前傾していた人力俥が水平になる。
俥載灯から白光がはなたれると、俥はゆるりと前進をはじめた。
なめらかな歩調にあわせて、小鳩の口上が流れだす。
「夜分遅くのご乗俥、ありがとうございます。今宵は白鳩屋の小鳩が、夜の鎌倉をご案内させていただきます」
昼間なら観光客でごったがえす界隈も、いまは家路を急ぐまばらな人影がみえるのみだ。
俥がスーツ姿の中年男性を追い抜くと、ぎょっとした視線がむけられる。
小町通りのメインストリートを直角に横切ると、二体の狛犬と赤い大鳥居がみえてきた。信号をわたって小鳩が俥を停めたのは、左右の車道にはさまれた参道の入口。
小鳩はくるりと振りむき、後ろ手に梶棒をつかみながら、西田と正対する。
「こちらは鎌倉を南北に貫く若宮大路のなかごろ、みっつある鳥居のうちふたつ目、参道である段葛だんかづら入口にある二の鳥居です。鶴岡八幡宮前にあるのが三の鳥居、海岸の近くにあるのが一の鳥居となります。二、三の鳥居は鉄筋コンクリート造りとなっておりますが、一の鳥居のみ石組みとなっております」
彼女が示す先には海までつづく若宮大路がのびているが、赤信号がならぶのみで、一の鳥居とやらはよくみえない。
一拍おいて、小鳩は声音を低く落とす。
「元来、みっつの鳥居はすべて石造りでしたが、関東大震災で倒壊し、一の鳥居のみ元の石材を組み直して再建されました。破壊と再生、あるいは荒廃と消滅……。一の鳥居のほど近くに、磯野と標札がかかげられた廃屋、通称サザエさんの家がございます。家人が心中した、無人であるはずの廃屋に人影をみた、などの噂が絶えない場所として全国的に知られております。ご存知ですか?」
「い、いえ、知りません」
「そうですか。残念ながら、通称サザエさんの家は、火災により取り壊されてしまいました。著名な心霊スポットですので、希望されるなら跡地へむかいますが……ご興味はなさそうですね」
西田の淡泊な反応をみて、小鳩は気にしたふうもなく、俥を曳きはじめた。
若宮大路をわたりきり、教会の十字架を左手にみながら道をさらに進むと、左右につづく道と、ちいさな神社に突きあたる。
大通りから外れると、とたんに虫の音が高く響きはじめた。
俥は右折して南に進む。幾重もの電線が頭上をわたり、厚く覆われた雲はいまにも泣きだしそうだ。
人力俥は夜の鎌倉を次々と進む。
この寺は、鎌倉時代に謀殺された比企一族の居館があった。この寺では尼僧が、斬首されそうになった日蓮上人に胡麻ぼたもちを振る舞うことで法難を逃れた。この寺は江戸時代末期、桜田門外の変で井伊直弼を暗殺しようとした浪士がかくまわれていたが、仲間が死刑になったことを知って切腹した……などなど。
死と伝承とオカルトに満ちた夜の鎌倉を案内する、というのが趣旨のようだった。
小鳩の曳く快適な俥と巧みな口上に、退屈はしなかったが、期待したものとなにかがちがう。
「お客さんは、このあたりの方ですか?」
小鳩がそう問いかけてきたのは、長い直線のゆるいのぼり坂。方角的には西、逗子市へむかっている。
「はい、横須賀です。小鳩さん……は、俥夫歴は長いんですか?」
会話をかわすうちに、西田もいくらか打ち解けてきていた。
小鳩は、前をむいたままこたえる。
「まだ新米ですよ。兼業なもので、夜間限定で個人俥夫をやらせていただいております」
「ほかに、お仕事を?」
しばしの間をおき、小鳩がふり返る。
「……忘れん坊さんには、ナイショです」
そう言って、子供っぽく人差し指を頬にあてると、にっこり笑って会話を打ち切った。
意味がわからないが、追求もできない。
俥は踏切をわたり、大きく左にカーブする。鎌倉材木座霊園入口と書かれた看板の脇を進むと、急なのぼり坂の先に巨大な清掃工場の煙突と、黒塗りの山がみえてくる。
この先になにがあるかは、オカルトにさして興味がない西田でも知っていた。本日の目玉と言える場所、小坪トンネルだ。

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ひさびさの大雪でオールシーズンタイヤの雪上走行

いつ雪が降っても問題ないタイヤを履いているのは、じつに安心感がありますよ。

関東一円がひさびさの大雪。4年前にもありましたが、その際は電車が止まって代替輸送でどうにか帰宅したおぼえが。

降雪半端なし

当時はクルマのチェーンもなく、あわてて購入したときには雪もほとんど消えていたのはいい思い出。その後、いつでも雪に対応できるようオールシーズンタイヤに換装したけど、肝心の雪に遭遇することもなかった。タイヤ交換時期まで雪道を走らなかったらどうしようかと思ったよ。

雪が降らなくなったのでタイヤチェーンを巻こう

日産ジュークをカスタマイズ2016

そんな感じで、がっつりと降雪。電車が乱れはじめた22日の夕方に早期帰宅の指示が出たので、ダッシュで職場をあとに。電車は混雑し遅延ぎみだったけど、いつもの経路で地元鎌倉までもどれました。けっこう雪が積もってたので、かるく除雪して愛車、日産ジュークを雪道で走らせてみる。自分のクルマと運転で雪道を走るのは、ダイハツムーヴに乗っていたころ以来ですな。

自信がないから、平地の近所をかるく一周してもどってきました。スタッドレスタイヤ相当のオールシーズンタイヤは、ばっちりと雪の路面をつかんで走れた。たまの雪ていどならじゅうぶん実用的。ただ、直線をそろそろ走るぶんには問題ないけど角を曲がったときにハンドルを取られそうになってヒヤヒヤしました。ここらへんは慣れが必要。短距離ながら、雪道走行のノウハウが得られ、事故もなく無事に駐車場に戻れました。

4年前の大雪時に購入した平底シャベルなどのグッズもようやく活用できたし、電車が止まるまえに帰宅できたし、雪も夜半まえに止んだしと、自分としては前回の教訓が活かせた大雪体験でありました。

今回の降雪では、ノーマルタイヤのまま走行して事故を起こす例が多発したそうだけど、いっそ現行のノーマルタイヤは禁止してオールシーズンタイヤのような雪道走破性のあるタイヤのみ許可するようにすればいいのではなかろうか。いちども使用しないかもしれないけど、いつ雪が降っても問題ないタイヤを履いているのは、じつに安心感がありますよ。

IoTは確率しだい『Amazon Echo Dot』で快適家電操作

想定どおり動けばな!

昨年、AIスピーカの『Amazon Echo Dot』を購入。音声入力で指示し、音楽をかけたり、ニュースやラジオを聴ける。個人的によく使うのは、アラームをかけるのと、現在時刻をたずねる機能。布団で寝ながら、目を閉じてていても声で指示できるのは便利です。とはいえ、単体ではそれまでの製品ではある。Echo Dotでできることを増やすため、『Magic Hue WiFi LED電球』と『LinkJapan eRemote mini』を購入。

Magic Hueは一見すると普通のLED電球ですが、無線LAN経由でインターネットに接続し、専用アプリで外部から操作可能。Amazon Echoにも対応と書いてあったけど、購入時点では海外版のEchoにしか対応しておらず、ダマされたと思ったら、速攻で日本版に対応したという、いわくつきのシロモノ。とりあえず、夕方に点灯し、深夜に消灯するよう設定したので単体で問題なく動いてる。ただ、ネット接続が不安定で、専用アプリからみると頻繁にオフラインになる。毎日、無線LAN接続をリセットすることでどうにか安定させてますが、いまいち信用ならない。

Amazon Echoのアレクサアプリから、スキルのMagic Home有効化し、スマートホームデバイスとして登録することでEcho Dotからも操作可能に。ただ、Magic Hueはインターネットにつながっているけど、アレクサとMagic Hue用のサーバとの接続が不調で動かないこともあり、確実に操作したいならアプリから直接やったほうがマシ。Echo Dotから想定通りに操作できるかは確率しだいですね。

『LinkJapan eRemote mini』のほうは、ネット接続可能なマルチリモコン。既存のリモコン信号を学習して、テレビやエアコン、照明などを外部から操作できる。Magic Hueでは失敗したので、日本版のAmazon Echoに対応していることを確認してから購入しました。専用アプリから設定し、必要なリモコンを学習。照明、テレビ、エアコンをスマホ経由で操作できるように。ただ、ネット接続が不安定で、専用アプリからみると頻繁にオフラインになる。毎日、無線LAN接続をリセットすることでどうにか安定させてますが、いまいち信用ならない。

Amazon Echoのアレクサアプリから、スキルのLinkJapan有効化し、スマートホームデバイスとして登録することでEcho Dotからも操作可能に。たしかにEchoとeRemote miniは連携できるのですが、操作可能なのは電源のON/OFFのみ。テレビのチャンネルを変えたり、エアコンの温度を変えたりはできません。さらにいえば、ON/OFFというのは照明のことで、照明用の設定としてテレビやエアコンのON/OFF信号を学習させる必要がある。やってみると、たしかにON/OFFできるだけで用は足りるのですが、細かい操作は実機のコントローラか専用スマホアプリでおこなう必要がある。ただ、eRemote miniはインターネットにつながっているけど、アレクサとeRemote mini用のサーバとの接続が不調で動かないこともあり、確実に操作したいならアプリから直接やったほうがマシ。Echo Dotから想定通りに操作できるかは確率しだいですね。

アレクサアプリに定形アクションとして複数の操作を登録できるのですが、なかなか想定したとおりに動かず苦戦。いちおう、成功すれば想定通りに動く設定はしてみましたが、ことほど左様に、ちゃんと動くかは確率の問題なので、ダメならおとなしく手動操作をするのが吉。失敗する要因が内部にも外部にも山ほどあるので、完璧な動作を期待するなら、そもそも現時点でAmazon Echoなぞ使うべきではないでしょう。想定どおり動けば、ひと声かけるだけで照明とエアコンがまとめてON/OFFされるのは痛快ですよ。想定どおり動けばな!

現状、ネット接続前提でない家電をムリヤリに接続させているので、対応前提の機器が出そろうまで、気軽に使うのはむずかしそう。ものぐさな機能を使いこなすには、勤勉さが必要不可欠です。

郁雄/吉武の創作小説サイト