「感想」カテゴリーアーカイブ

アニメ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観た

おもしろかったよ。

緊急事態宣言も解除されたので、そろそろいいでしょう。というコトで、アニメ『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を劇場で鑑賞。

まぁ、そこそこアニメ歴のある方なら、いろいろと「こじらせている」作品ではあるでしょう。むずかしい考察とか解説はくわしいみなさまにゆずるとして、本作のプロットは非常にシンプル。1行で書けちゃう。

人間的に成長した主人公が、大人げない父親をたしなめるハナシ。

もう、そういうのいいかげん、やめません? という、旧劇場版でも言ってたようなことを、より洗練させてエンターテイメントに落とし込んだ感じ。極大的に崩壊と変革に突き進む世界とか、なんかワカランけど凄そうな戦いとか、こむずかしい理屈はどうでもよくて、すべては極私的な上記のプロットに収束すると感じた。感動したというより、まぁ、そうだよなぁと思いながら映画館を後にしたのでした。おもしろかったよ。

ウマ娘のアニメを観た

独特の生々しさがあっておもしろい。

アニメ『ウマ娘 プリティーダービー』をAmazonプライムで視聴。1期全話と2期の最新話まで観たので、やっと世間様に追いついた感じ。ブレイクしてるというスマホゲームのほうはやってませんけど。2018年の本放送時、1期の1話のみ観てましたが1話切りしたのは、単に2話の録画に失敗したからという、しょうもない理由だった。

実在する競走馬の名前を受け継いだ美少女がレースをするという、戦艦などの兵器系ではよくあるフォーマットを競馬にあてはめた作品。史実に即したレース展開ということで勝つときは勝つしし、負けたり故障したりもする。物語の都合ではなく史実で勝ち負けが決まるのは、独特の生々しさがあっておもしろい。競馬には明るくないですが、名前は聞いたことのある競走馬の名前をもつ美少女たちが、なかよくガチンコ勝負をくりひろげるというのは、ありそうでない感じ。

おまえら何年、学生やってんだよとか、ウイニングライブがオマケっぽいなとか、気になるところはあるけど、迫力あるレースシーンは一見の価値アリ。このフォーマットならメインキャラを変えて、いくらでもつづけられそうですな。

【ネタバレ注意】モノトーンのディストピア『ブレードランナー2049』を観た

生きる意味を探し、死ぬ意味を見つける、人ならざる者たちの物語。

『ブレードランナー』という映画は、自分にとって特別な作品のひとつ。過去に何度も見返しているし、これからも見返すと思う。闇に濡れた大都会で、はかなくも激しく生きようとする人造人間たちの物語は、時代が物語の舞台である2019年になろうとも色褪せることはない。そんな作品の続編が、2017年に公開されるとなれば、傑作だろうと駄作だろうと観ないワケにはいきません。

35年ぶりの続編『ブレードランナー2049』を立川シネマ・ツーの極上爆音上映にて鑑賞。前日に『ブレードランナー ファイナルカット』と2049にリンクした3本のショートムービーを鑑賞して、事前準備はバッチリ。脳内でヴァンゲリスの伴劇を鳴り響かせながら、仕事帰りに立川へ。映画館ちかくのジョナサンで夕食を摂り、じっくりとブレラン気分を盛り上げる。心身ともにベストな状態で2049をむかえました。

前作から30年後、2049年が舞台。大停電によって過去の記録が消去された世界。人造人間レプリカントであるKが、ブレードランナーとして逃亡したレプリカントを解任(処分)していくうちに、30年前に逃亡した前作の主人公、デッカードと自身にまつわる秘密にせまっていく。前作の陰々滅々とした世界観がさらにパワーアップ。乾燥してモノトーンなシーンが多く、目新しい表現も随所にみられる。前作ファンを楽しませるネタも散見されますが、ぶっちゃけ前作と3本のショートムービーを観ていないとよくわからないと思う。いや、予習したはずの僕でも理解しきれない部分があった。ウィキペディアのネタバレ解説を読んで、なるほどと思ったり。

前作が「生きるために戦い、死ぬために狩る、人ならざる者たちの物語」だとすると、本作は「生きる意味を探し、死ぬ意味を見つける、人ならざる者たちの物語」といったところか。ただ、2049でテーマとなっている新たなる命の存在が、どれほどすごいのかが作中の説明だけではよくわからないので、終盤の展開はピンとこなかった。メカはカッコイイ。音楽は前作ふうの曲調だけど、前作のメインテーマが流れないので、あまりブレードランナーっぽい印象はなく、耳にも残らなかった。前作の続編にはなっているけど、前作が20世紀に与えたインパクト以上のものを21世紀に与えられたかは微妙というのが、初見の評価です。あと何度か観れば、評価は変わるかも。

超古代文明の犬散歩『人喰いの大鷲トリコ』

トリコさんの素敵な犬っぷりを堪能するのが楽しい、大鷲だけど。

プレイステーション4Proを購入し、ノーマルプレステ4をリプレイス。せっかく4Kテレビを購入したので、ゲーム機も4K対応に。ただ、プレステ4でいちばん使っていた機能であるhulu、Netflix、Amazonプライムビデオの視聴は4Kテレビ側の機能に移行したので、相対的に稼働時間は低下してる。せっかくなので、4K対応のゲームもしないとな。

そんな感じで、Pro対応のプレイステーション4『人喰いの大鷲トリコ』を購入し、クリア。ネタバレ注意。『ICO』や『ワンダと巨像』の系譜で、超古代文明的な不思議構造の中で、主人公の少年が巨大な大鷲トリコと協力して冒険していくアクションアドベンチャー。主人公は非力ですが、相棒が強力なので、大移動や敵の討伐はお任せできる。トリコは大鷲と呼ばれ、羽毛も生えているものの、見た目や動きはモロに犬のソレ。能力持ちの超大型犬を使役すると考えれば、目安となるでしょう。トリコさんの素敵な犬っぷりを堪能するのが楽しい、大鷲だけど。

舞台は天空の城ラピュタを超大型にしたような古代遺跡。端々に高度なテクノロジーを感じさせる構造物にはロマンがあります。さまざまな仕掛けを解いて進んでいくわけですが、狭い場所、足場の悪い場所での活動に適した主人公と、戦闘や大ジャンプで頼りになるトリコの能力を組み合わせるアイデアが多彩。戦闘で興奮したトリコを主人公がなだめ鎮めたり、逆に落下しそうな主人公をトリコがキャッチしてくれたりと、相互補完関係にある。

大鷲の巣とよばれる古代遺跡は、圧倒的に巨大で美麗。シネマチックな演出で冒険を盛り上げてくれる。難点としては、遺跡の雰囲気が終盤まで変化がすくないこと。暗灰色で統一感はあるけど、中盤は見飽きてちょっとダレました。灼熱ゾーンでトリコがハァハァするとか、極寒ゾーンで庭かけ廻るとかしてもよかった。遺跡のなかで、自分がどこに位置して、どう移動しているのかイメージしづらいのも一因でしょう。

主人公がトリコにつかまることで大ジャンプしたり、足場にしたりできるのですが、たまに意図しない動きをすることがありストレスを感じた。トリコが思ったとおりに動いてくれないのは意図した演出でしょうけど、主人公が意図したとおりに動かないのは困りもの。中盤以降、アクションが多彩になるぶん、やりたい動きができないことでイライラすることが多かった。

操作感でストレスを感じる部分はあったけど、巨大な魔獣と共闘する一体感と多彩な謎解きは楽しい。「人喰い」の大鷲と銘打たれている割に、人を喰うシーンがほとんどないなぁと思っていたのですが、終盤の展開で納得。たしかに「人喰い」だわな、コレ。

伝統のエクストリーム遠距離恋愛『君の名は。』を観た

ひょっとしなくても、それはテロ行為じゃないか。

以前、日本にクレーターは存在するのか疑問に思って、調べたことがあります。日本では長野県の南アルプス南部に御池山クレーターというのが確認されているそうですが、写真をみるかぎり、言われてみればクレーターかな? というレベル。数万年前の衝突痕なので、風化してしまっています。もし、まるく原型をとどめたクレーターが市街地に残っていたら、クレーターの町として大々的に町おこしに使われるでしょうね。

アニメ映画『君の名は。』を映画館で鑑賞。話題の映画なので、上映終了前に劇場で鑑賞してみました。ネタバレ注意。事前に大雑把なネタバレは知っていたので、ストーリー的な驚きはない……と思ってたけど、いろいろ力技の展開に驚かされました。この方の作品というと、やたらと美麗な作画の中で男女がエクストリーム遠距離恋愛をする、というのは『ほしのこえ』からの伝統。ハッピーエンドかバッドエンドかはともかく、『君の名は。』も基本はおなじ。風景を次々と切替えたり、時間を早廻ししたりと、実写でよくみられる演出をアニメ化するのはさぞや大変だったでしょう。美麗な作画とサウンドには圧倒されるものがある。

ストーリー的には、コンセプトを具体化する段階で、かなり無理がある部分をバッサリ無視して、面倒な心情の変化はショートカットして、それでも苦しいときは「ウッ、記憶が……」とウヤムヤにする。人命救助のためとはいえ、ひょっとしなくても、それはテロ行為じゃないか……と思える展開も。避難誘導すれば助かるレベルの「衝突」より、メインキャラによる「爆破」のほうが個人的には盛り上がりました。年月日を確認しないのはいわずもがな、日本の市街地にクレーターなんぞないし、もしあったら観光スポットになってるだろう等、ツッコミたいところは多々ありますが、上映前に流れる予告映像が、ラブラブ彼氏が難病でピンチみたいな作品ばっかりだったので、そういう層向けなのでしょうね。映像と音楽はトップレベル、話は僕には合わなかったというのが感想です。

【スプートニク・ショック】昭和32年『週刊朝日 緊急増刊 人工衛星』を読む

宇宙には死体が漂っている!

昭和32年(1957年)10月刊行の、『週刊朝日 緊急増刊 人工衛星』を入手したので読んでみた。定価30円。1957年10月4日にソ連が打ち上げた人工衛星、スプートニク1号の特集号。いわゆるスプートニク・ショックというヤツですが、本号には『スプートニク・ショック』という表現はでてきません。冷戦まっただ中、アメリカが人工衛星を打ち上げるまえの特集なので情報は西側寄りで限定的。

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当時開発中だったICBM、大陸間弾道弾にからめて、ロケット技術についてソ連に先んじられたことが論じられている。ICBMという究極兵器があるのだから、通常兵器は無用の長物になる──つまり、日本の再軍備化は不要と結論してますが、実際は核抑止力で全面戦争が避けられる反面、局地戦が増えたので通常兵器が不要ということにはならなかったワケですが。面白かったのは巻末に載っていた『空想ルポ 1967年11月7日月世界探検』という記事仕立ての空想小説。ベータ衛星なる宇宙ステーションを足がかりに造ったロケットで月を目指すという、現実とは異なるけど、まったく荒唐無稽というわけでもない展開。ただ、宇宙に出たら真っ先に注目するであろう青い地球の美しさについては、作業がいそがしくて「のんびりと地球見物なんてことは、とうてい許されない」ので、詳細は描写されておりません。いっぽうで驚いたのは、月へむかう途中で宇宙ステーション建造時に行方不明になった作業員の死体に遭遇するというくだり。最近のSFでも、宇宙開発黎明期に行方不明になった宇宙飛行士の死体を発見する、というのはお約束の展開なのですが、アポロ以前からあったのか。宇宙には死体が漂っている!

 

なんとなく大戦してみる?『黙示録:カラーで見る第一次世界大戦』

野蛮が理性を駆逐する。

ドキュメンタリー、『黙示録:カラーで見る第一次世界大戦』をAmazonプライムビデオで観る。第二次世界大戦については、いろいろと資料があるけど、第一次のそれは格段にすくない。同時代を舞台にしたFPS『バトルフィールド1』をやってみたいので、予習にもなるしね。もっとも、フィクションを楽しむのにリアルな知識を増やしすぎるのは諸刃の剣、だったりしますが。

独裁者が野望を達成するため、隣国に攻め込んだ!──というような、好ましくないが明確な理由で戦争が起こるのはわかる。第二次世界大戦はこのタイプですが、第一次世界大戦がどうして起こったのか、いまいち理解できなかった。このドキュメンタリーを観ても、経緯はわかるけど、やっぱり世界規模の大戦争になった理由がわからない。1914年にサラエボでオーストリア皇太子が暗殺されたことがきっかけだと習いましたが、当時の人々はこれが大戦の引き金になるとは思っていなかった。戦争がはじまっても、すぐに終わると思っていた。それが4年間にわたる血みどろの世界大戦になるのだから、困ったもの。

理性的に考えれば戦争する必要がなくても、大戦は起こりうる。誰かの利益になれば、野蛮が理性を駆逐する──なにやら、いまの時代にただよう不穏な空気とカブるようで、空恐ろしいものを感じます。理性的に考えれば、今の時代に大戦なんて起こるはずはないと、僕も思う……思いたいですけどね。

 

最近、オンデマンドで観た映画寸評

エリア51の伝説。

ゴールデンウィークの旅行は序盤に行ってしまったので、中盤以降は家でのんびりビデオ鑑賞。hulu、Netflix、Amazonプライムビデオなど、オンデマンドサービスで観た映画の寸評など。

劇場版北斗の拳

1986年のアニメ映画。北斗の拳の序盤を映画化してますが、テレビ版よりも作画が豪華で、バイオレンス描写に特化。ラストはアレッて感じだけど、劇場公開版と変えてるのか。脳内ユリアとたわむれるケンシロウが堪能できます。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

北斗の拳つながりで、世紀末モノを。先にマッドマックス2を予習でみたけど、4にあたる本作は2のリメイクというか、現代的な再構築版だった。マックスの愛車インターセプターよりも、ウォー・タンクなるタンカートレーラーのほうが実質的な主役メカでした。カッコイイ。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

第二次世界大戦後なので、敵はナチスからソ連に変更。評判は良くない作品ですが、予想してたよりは楽しめた。水晶ドクロネタは、スプリガンが先にあつかってたけど、なるほど、こうきましたか。エリア51の伝説。

突き抜けたくだらなさ『シャークネード』を観た

頭のネジをゆるめて観ると、非常に楽しめる作品でした。

huluで「Z級映画」としてサメ映画を公開中……というニュースは知らずに、興味本位で『シャークネード』という作品を観た。なんちゅうモノを観ちまったんだ……。本作は超大型のサメがビーチで大暴れするのではなく、無数のサメが竜巻に乗って街に降りそそぎ大暴れという、「すごい……のか?」と疑問符がつく設定を、強引に展開させる。お約束通り、サメに食われる連中をみてゲラゲラ、主人公たちのありえない活躍をみてゲラゲラ、頭のネジをゆるめて観ると、非常に楽しめる作品でした。ツッコミを超越した、突き抜けたくだらなさは必見です、ゲラゲラ。

ディスカバリーチャンネルの『怪しい伝説』でぜひ、空から降ってくるサメをチェンソーで縦にぶった斬れるか検証していただきたい。いや、ひょっとしてもうやってる? ……と思って検索したら、こんな動画がでてきました。

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