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映画『天地明察』を観た

エンタメ寄りに、原作をアレンジしてるんだな。

映画『天地明察』をWOWOW録画で鑑賞。江戸初期に、新しい暦の導入に挑戦した渋川春海の苦難と活躍を描く。同名の原作小説が面白かったので、映画版も観たのですが、原作の要素を用いながらも微妙に改編されており、よりドラマチックな展開になってる。人間関係も微妙に異なり、比較して観るのも面白いです。映画のほうが、よりドラマチックなので、エンターテイメントとしては正解なのでしょう。

この映画、父親と一緒に観たのですが、僕がひそかに気にしていたのは同じ作者の小説『光圀伝』との関連性。『天地明察』と『光圀伝』はリンクしているので、『光圀伝』を読ませていた父親が、それに気づくかどうか……。観終わった後に聞いてみたら、ちゃんと『天地明察』に出てくる黄門様が、『光圀伝』の黄門様と同一世界の人物だとわかってくれてた。よかった、よかった。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観る

えっと、前作は観たっけ?

アニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を劇場で鑑賞。前作も劇場で観たはずなんですが、冒頭からの怒濤の展開にハテナの嵐。どうやら、かなり話がブッ飛んでるらしい。物語のあらすじだけで、ネタバレになりそうな感じです。なんかこう、『ふしぎの海のナディア』の後半戦を彷彿とする展開は、やっぱこういうのが好きなんでしょうね。途中で話が切れてるので、最後まで観ないと感想はなんとも。

狼人間育児録『おおかみこどもの雨と雪』を観た

もののけか、ぽんぽこしかないのか?

アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』を劇場で鑑賞。ネタバレ注意。狼男と結ばれた女性がシングルマザーとなり、狼に変身できる娘と息子を育てる物語。おおかみこどもたちの動きが可愛いし、今風のキャラ萌えも感じられるデザインも良い。ジブリアニメではないけれど、昨今のジブリ作品よりジブリっぽい印象。お子様のやんちゃっぷりは『となりのトトロ』っぽいし、結論は『もののけ姫』と『平成狸合戦ぽんぽこ』っぽい。自然と文明社会との接し方としては、これ以外の結論はないのかな。育児に奮戦するパートは良かったけど、終盤の同時進行な展開は違和感があった。人として暮らすか、狼として暮らすかの決断を、なし崩しではなく、覚悟を持った描き方にした方が良かったと思う。

自然と文明、どちらか一方を選択するのではなく、双方とうまく距離を取り、仲立ちをする、みたいな結論にしても良かったのではないかと。

入浴はローマを救う、映画『テルマエ・ロマエ』を観た

すでに十分、歴史を改変しているよ。

実車映画『テルマエ・ロマエ』を劇場で鑑賞。以下、ネタバレ注意。ローマ時代の浴場技師、ルシウスが現代日本にタイムスリップ。「平たい顔族」こと、日本人の入浴に対するコダワリにカルチャーショックを受けつつも、その体験を元にローマ時代で大成功。同名の漫画原作は既読なので、ルシウスがいきなり日本の銭湯に出現してもふ~ん、というか、阿部寛をガイジン扱いするのは無理があるんじゃ……とか冷めて観てましたが、場内からはクスクス笑いが。やっぱり初見のインパクトは大きいんだな。

中盤以降はオリジナルの要素が強くなり、原作既読でも楽しめる。映画オリジナルヒロインが、ラテン語を速攻で覚えてローマ時代にやってくる展開はかなり強引だったけど、物語として上手くまとめている。リアルに考えれば、現代人とローマ人が関わりを持ったら、入浴の技術どころか産業革命すら起こしかねない大事な気はしますが、そこをスルーするのは原作通りか。

気持ちよさそうに入浴する爺さんがたくさん出てくるので、観ていると無性に風呂に入りたくなる映画。原作既読でも未読でも楽しめる、入浴エンターテイメントです。

日本とトルコの交流物語『海の翼』

エルトゥールル号って正確に言えるようになったのは、つい最近のことです。

秋月達郎著『海の翼』を読む。イラン・イラク戦争時に日本人を救援してくれた、トルコ航空機の活躍と、その「恩返し」の元となった、明治時代に和歌山県沖で遭難したトルコの軍艦、エルトゥールル号の救出活動を軸に、日本とトルコの交流を描く。トルコは親日国として有名ですが、日本は親トルコというほどではない。多くの日本人にとって、トルコは興味のない国か、せいぜい観光地のひとつ、ぐらいでしょう。そんな日本人むけに、史実を踏まえて物語り仕立てで読みやすく描かれています。

トルコ革命前のオスマントルコ時代が舞台なのに、のちの初代大統領ムスタファ・ケマルをアタチュルク(父なるトルコ人の意、革命後に贈られた姓名)と呼んだり、日本人には言いづらいであろう「エルトゥールル号」という原音にちかい呼び名を当時の漁民が即座に理解したりと、トルコの歴史をかじっていると違和感を感じるシーンもありますが、わかりやすさを優先するなら、これぐらい大胆にデフォルメする必要があるのかも。

和歌山県の串本町に行ったばかりなので、イメージをつかみやすい歴史小説でした。

映画『ヒューゴの不思議な発明』駅の妖精少年大活躍?

ヒューゴはGK!

映画『ヒューゴの不思議な発明』を劇場で鑑賞。20世紀初頭のフランス、パリを舞台に、駅で時計のメンテナンスをしながら、父親の残した自動人形を修理している少年、ヒューゴの不思議な体験を描く。CGを多用した映像美がすばらしい。リアリティを追求するより、CGならではのディテールで魅せるのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』に通じるものがある。苦難の末に、自動人形を修理するとあらビックリ……というのを期待したのですが、さほど驚きの展開にはならず。もっとファンタジーな展開になるかと思っていたら、映画創成期の苦労話みたいな展開に。邦題の問題ではありますが、主人公、発明してないじゃん。

水準以上の感動話にはなっていますが、同監督の作品としては『ニューシネマパラダイス』の方が完成度は高いと思います。

映画『トランスフォーマー』をみた

杞憂部

映画『トランスフォーマー』をWOWOW録画にて鑑賞。
ある日突然、自家用車が勝手に動きだしちゃって大変だけど、気になるあの娘とは仲良くなれちゃいそうだよ、あと、世界がちょっと大変だよ! というおはなし。身近なのりものがロボットに大変身という、アニメでおなじみのコンセプトを、すごい技術でハリウッド映画にしています。変形が複雑すぎて、めまぐるしい変化を目で追うのが大変です。ちゃんと変形するおもちゃが売られているらしいけど、すげぇなコレ。CG全開のムリムリとした変身っぷりを鑑賞するだけでも、十分楽しめるのではないかと。

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