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人狼を探せ『赤ずきん』を観た

赤ずきん「ちゃん」ではなく、赤ずきん「さん」とお呼びするべき!

映画、『赤ずきん』を劇場で鑑賞。同名の民話を下敷きに、大人がたのしめるダークファンタジーに仕上げてる。脅威となるのは、狼ではなく人狼。村人の中に人狼が潜んでいるらしく、その犯人捜しが主題。赤ずきんは色っぽいお姉さんで、イケメンに囲まれたプチハーレム状態。でも、人狼騒ぎの中心人物となってしまい、さあ大変。そして、村人の中に潜んでいる人狼の正体は?

要所要所に民話でおなじみの展開をはさみつつも、基本はオリジナル。女性向けの作品なのでしょうけど、色っぽい赤ずきんさんと、人狼の脅威と戦う人々のアクションで男性視点でも楽しめました。

『トルコ民話選』忠告は、まもらないのが基本

いまも今、たったいま。ひとりのよっしいが『トルコ民話選』を読んだ。

トルコの民話で世界的に有名なのは、なんといっても『ナスレディン・ホジャ』という、とんちの利いたおじいさんなのですが、本書ではあえてそれ以外の民話に焦点をあてている。トルコ語と日本語訳が併記されているので、オリジナルの雰囲気をあじわえます。

主人公が機転をきかせて富や名声、美女をゲットする展開は世界共通。ただ、日本の民話とちがうなと思うのは、「やってはいけない」と忠告されたことは、「とりあえずやってみろ」が基本なところ。『浦島太郎』は、乙姫からもらった「けっしてあけてはならない」玉手箱をあけて、おじいさんになるのがオチ。でもトルコの民話は、失策による逆境から栄光をつかむはなしが多い。ペナルティはあっても、挽回可能なのです。

たとえば『ロバの頭(EŞEK-KAFASI)』という物語は、子供がさずかるといわれてもらった魔法のリンゴを、ほんとうは夫婦で半分こしないといけないのに、うっかり夫が全部たべてしまい、妻の腹から子供ではなく、夫の腹から「ロバの頭」が息子として出てくる。この、ロバの頭が主人公になって物語が展開します。コレでちゃんとハッピーエンドになります。

生の民話らしく、残酷な展開もあり、日本の民話と共通するパターンもありますが、意表をつかれる展開もあり、なかなかにたのしめる民話集です。満足。

僕も望みがかなったので、みんなも望みをかなえましょう。←テケルレメ(きまり文句)ふう