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『ナスレッディン・ホジャ物語』オンデマンド頓知じいさん

護 雅夫訳『ナスレッディン・ホジャ物語―トルコの知恵ばなし』を読んだ。

トルコでいちばん有名なキャラクターである、ナスレディン・ホジャの民話集。日本でいう、一休さんや吉四六さんに相当する、とんちの利いたおじいさんです。くわしくは、当サイトの特設ページをごらんください。

ホジャの本は、トルコ各地のみやげもの屋に各国語版がズラリとならんでおり、世界中のひとが読めるようになっている。有名どころはおさえているつもりですが、本書はマイナーな部類の物語もバッチリ網羅。ホジャの艶笑ばなしなんて、はじめてよんだよ。注釈が充実しており、トルコの文化をしるためにも役立ちます。

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初出は1965年ですが、オンデマンド(注文生産)方式で新品をゲット。割高になっても、ほしいときに新品が買えるのはとてもよいことです。できれば、受注から生産、納品までを、もっとスピーディーにしてほしいです。

おまけで、ホジャネタをひとつ、ご高覧。トルコ旅行にいったときに、おみやげにTシャツを買ったんですよ。カッパドキアの奇岩をバックに、ロバにのったターバン巻きのおじいさんが描いてあるヤツ。

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僕はてっきり、ホジャのTシャツを買ったつもりでホクホクだったのですが、裏をみて愕然。

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ア……アリババさんでしたか。

トゥルキエ!

『トルコ民話選』忠告は、まもらないのが基本

いまも今、たったいま。ひとりのよっしいが『トルコ民話選』を読んだ。

トルコの民話で世界的に有名なのは、なんといっても『ナスレディン・ホジャ』という、とんちの利いたおじいさんなのですが、本書ではあえてそれ以外の民話に焦点をあてている。トルコ語と日本語訳が併記されているので、オリジナルの雰囲気をあじわえます。

主人公が機転をきかせて富や名声、美女をゲットする展開は世界共通。ただ、日本の民話とちがうなと思うのは、「やってはいけない」と忠告されたことは、「とりあえずやってみろ」が基本なところ。『浦島太郎』は、乙姫からもらった「けっしてあけてはならない」玉手箱をあけて、おじいさんになるのがオチ。でもトルコの民話は、失策による逆境から栄光をつかむはなしが多い。ペナルティはあっても、挽回可能なのです。

たとえば『ロバの頭(EŞEK-KAFASI)』という物語は、子供がさずかるといわれてもらった魔法のリンゴを、ほんとうは夫婦で半分こしないといけないのに、うっかり夫が全部たべてしまい、妻の腹から子供ではなく、夫の腹から「ロバの頭」が息子として出てくる。この、ロバの頭が主人公になって物語が展開します。コレでちゃんとハッピーエンドになります。

生の民話らしく、残酷な展開もあり、日本の民話と共通するパターンもありますが、意表をつかれる展開もあり、なかなかにたのしめる民話集です。満足。

僕も望みがかなったので、みんなも望みをかなえましょう。←テケルレメ(きまり文句)ふう