アニメ『動物農場』ガクブル風車と『オートマニア2000』

1954年のイギリス製アニメ映画『動物農場』を、DVDにて鑑賞。

横暴な農場主を動物達が追放するという「革命劇」のすえに誕生した、動物の動物による動物のための楽園であるはずの動物農場はしかし、あらたなる支配者によってより過酷な搾取の場と化していく。ロシア革命を風刺してはいるものの、いつの時代、どこの国でもおこりえる権力の腐敗を描いています。くらしを豊かにするはずの風車建設で、動物たちが苦役を強いられる本末転倒なシーンが、『どうぶつの森』の風車建設イベントとかさなってしかたありません。

アニメ版は、原作小説をコンパクトに映像化していますが、最大の改変はラストシーン。原作では横暴な独裁者が支配を完成させるところで終わってますが、アニメ版はさらなる革命の足音がひびくシーンが追加されている。ここらへん、賛否両論あるようですが、原作尊重云々をぬきにすれば、きれいにまとまっていると思う。

DVDにはアニメ制作の舞台裏を紹介したドキュメンタリーと、10分ほどの短編アニメが3本、収録されている。とくにおもしろかったのは『オートマニア2000』という作品。モータリゼーションの発展によって車が高機能かつ多機能な移動個室として進化し、ついにはうごく必要もない、自己増殖可能な積層世界を構築する。21世紀の視点からすると、個室にひきこもっていても、さまざまなサービスが提供されるというのは、車社会というよりネット社会を彷彿とさせますが、日本製の超大型乗用車らしきモノも登場するのが興味ぶかい。軽薄短小よりも重厚長大が尊ばれていた時代なんでしょうね。レトロフューチャー感タップリの、モダンな逸品です。

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