『NHKことばおじさんのナットク日本語塾 (Vol.1)』で日本語再考

『NHKことばおじさんのナットク日本語塾 (Vol.1)』を読んだ。

「もしもし、ことばおじさんですか? 日本語が大変です!」と、ハム太郎に請われてスタートする、『ことばおじさんのナットク日本語塾』。5分間の帯番組の書籍版で、ことばおじさんこと梅津正樹アナウンサーが、微妙な日本語に関するウンチクを愉快に解説してくれます。解説はしてくれますが、正誤を断じないのが特徴。言葉というものは、時代とともに変化するのでなにが正しい、なにが間違っているとは、いちがいにいえなからだそうです。

「情けは人のためならず」、「役不足」、「檄を飛ばす」といった、異なる解釈が並立している言葉の場合は、それぞれの立場を説明し、それをふまえたうえで適切に使いましょうという具合。なんとなくあいまいに認識していた言葉の定義が、いろいろ明確になります。

おもしろかったのは、「人一倍」という表現。ひとより努力しているハズなのに、なぜ「一倍」なのか。これ、ひとなみプラス「一倍」で、「人一倍=通常の二倍」という意味なんだそうで。古い表現だと給料を倍にすることを「給料を一倍増やす」としたそうですが、わかりにくいので「二倍にする」と改めた。でも、「人一倍」という表現は残ったので、いまも「人一倍」なのだとか。

言葉は常に変化するものだし、辞書的な意味が、正しく通じるとは限らない。微妙な表現は、うまく場の空気を読みとって、通じることばとして用いるのが良いのでしょう。むずかしいけどね。

「『NHKことばおじさんのナットク日本語塾 (Vol.1)』で日本語再考」への2件のフィードバック

  1. 夜変なユメをみたというときと、君の将来のユメはというときに、同じ夢では変な気がします。別の漢字はありませんか?

  2. >Eiichi Kokueさん
     
    コメントありがとうございます。
    広辞苑によると、「夢(ゆめ)」は「いめ(寝(イ)の目)」が転じたものです。
    もとは寝ている時に見るユメの解釈が広がって、「将来の夢」といった使い方になったのでしょう。
    現在のところ、将来の夢に別な漢字を当てる用法は一般的ではないようです。

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