電話機能はオマケ程度、電源必須の超小型パソコンに納得できれば、間違いなく買い
ウィルコムのウルトラモバイルPC『Willcom D4』を
購入して1週間。それなりに使い込んだ雑感なぞ。なかなか良いよ。
■WILLCOM D4 ブラック:Amazon.co.jp
●Willcomの利用歴
DDIポケット時代から十年来のWillcomユーザ。繋がらない、すぐ切れる、雑音ザリザリという、PHS=劣化携帯の汚名を決定づけた頃から使い続けています。今はそんなことないよ……と言っても遅いよねぇ。
最近は初代京ぽんから
初代W-ZERO3、
nicoブルー、黒nineとW-SIM端末を愛用。D4は主にデータ通信目的で購入し、通話は引き続き黒nineを使用中。初代W-ZERO3のおかげで、電話機としてのスマートフォンには期待してません。
利用回線はPHS1回線のみ。個人携帯はなし。
●Willcom D4の利用目的
・サイトの更新
・
小説の執筆
・ほか、デスクトップPCと同等のオペレーションをモバイル環境で実現すること。
●Willcom D4の通話、データ通信プラン
・自宅では無線LANを使用
・屋外ではW-SIM 4xを使用
>契約はウィルコム定額プラン+データ定額
>プロバイダは@niftyにて4xパケット方式
※自宅のネット環境に付随するダイヤルアップサービスを利用しているので、新つなぎ放題+話し放題にする必要はないです
●Windows VISAの設定
・クラシックモードでWindows 2000ライクに
・ユーザーアカウント制御無効
※Windows XPに比べ、エクスプローラに「上へ」のアイコンが存在しない以外は問題なし
※VISTAはあまり安定していない印象、さすがはMeたんの再来と呼ばれるだけのことはある
●主要導入ソフト
・一太郎 2008(ワープロソフト)
・ATOK 2008(日本語入力ソフト)
・Opera 9.5(Webブラウザ)
・Mozilla Thunderbird(メーラー)
・Winamp(MP3プレーヤー)
・チューチューマウス(マウス入力補助)
・JmEditor2(テキストエディタ)
・FFFTP(FTPクライアント)
・WebDiary(HTML編集支援ソフト)
・ウィルスバスター2008(ウイルス対策ソフト:正式ライセンスを投入)
※VISTA未対応のフリーソフトも、主要な機能は問題なく動きました
※プリインストールされたPHS関連アプリケーションは、電話以外使ってません
●Willcom D4の操作性
入力方式は画面に直接タッチ、左右のタッチパッドでマウス的な操作、キーボードショートカットの3つ。状況に応じて使い分けられるので、マウスがなくてもあまり不便は感じません。
もちろんUSBキーボード、マウスも接続可能。ただしD4のUSBポートはmini Aタイプのため、USB(A)タイプへの変換コネクタは必須。この文章もUSBマウスとキーボードを繋げて打ってます。
■USBフレキシブルホストコネクタ USB2-C2:Amazon.co.jp
●Willcom D4の画面
横幅が1024あるおかげで、普通のノートPCと同等の操作感がありますが、やはりノートPCとしては小さい。キーボードとマウスを外付けするなら外部ディスプレイに出力したい所。クレードル、RGB/USBケーブルは未購入。
●Willcom D4でのタッチタイピング
結論から言えば、可能。ただし、D4に特化したタイピング法をマスターする必要アリ。自分的には「A」のキーを小指ではなく薬指で打つと良い感じ。ファンクションキーが「Fn+数字キー」なのはちょっと不便。初代W-ZERO3の親指タイピングよりは打ちやすい。
でもやっぱり外付けキーボードがつけられるなら、それに超したことはないです。
●Willcom D4の音質
本体のモノラルスピーカーの音質はあまり良くない。音もあまり大きくならない。音質にこだわるなら、ヘッドホンや外部スピーカーは必須。ただし、ヘッドホンを繋げると、ザラザラしたノイズが聞こえる。
●Willcom D4のバッテリー持続時間
大容量バッテリーはまだ届いていないので、標準バッテリーの感想。
僕は基本的にノートパソコンは電源をつないで使うものだとおもっているので、バッテリーの持ちにはこだわりません……が、それでもD4のバッテリーは持ちが悪い、悪すぎる。通勤中に1時間ほど使っているだけでバッテリーが切れ、さらにはスリープモードにしても目に見えて目減りするのには唖然。電源必須で、標準バッテリーは無停電装置に毛の生えた程度と思った方が良い。やはり大容量バッテリーは必須か。
スリープ中のPHS待ち受け機能がボトルネックになるのなら、待ち受け不可でも良いのでもう少しバッテリーの持ちを良くして欲しい。
●Willcom D4の通信速度
W-SIMによるx4通信は、さほど早くないもののテキスト主体のページを見るには十分。動画やFLASHを使用したページは諦めた方が賢明。
通信状態が良い場所で動かずに接続すればそれなりに良好な通信状態ですが、移動中はちょっと苦しいか。電車に乗ってる時は、駅に止まっている時に通信するのが吉。
無煙LANを使えば速度的に問題なし。システムのアップデートを考えれば、ブロードバンド環境+無線LAN環境は必須。
通信可能な状態でスリープ→休止状態へ移行すると、動作がおかしくなる場合があります。スリープにする場合はPHS通信は切断、無線LANはOFFにしておく方が安心。
ダイヤルアップ接続が固まった場合は、W-SIMを抜くと直るっぽい(推奨も保証もいたしかねますが)。
●Willcom D4での通話
電源が入っていれば、思ったより使える。ヘッドセットがない状態での着信でも、現在通話できない旨のメッセージを流すことができるので、かけ直しは容易。Bluetoothのヘッドセットを使うと取り回しも楽になりますが、D4本体との位置が悪いと間近でもノイズが混ざります。D4をヘッドセットを装着した耳の近くに持ってくると、音質がアップする上に電話をかけてるっぽく見える……かも?
●Willcom D4でのオンラインサインアップ
音声用のW-SIM端末を併用する場合、D4でのオンラインサインアップは不要。この状態でも音声通話はできるし、データ通信も可能。ウィルコムのメールは使えないが、音声端末でオンラインサインアップしてあるなら、W-SIMの差し替えでメールも受けられる。
うっかりD4でオンラインサインアップしてしまうと、音声用のW-SIM端末に差し戻した時に再度オンラインサインアップが必要になります。
●Willcom D4に関する総括
初代W-ZERO3は、デスクトップPCを母艦とした子機という印象でしたが、Willcom D4はデスクトップPCと同等の機能を有した僚機という感じです。Windows VISTAはあまり良い評判を聞かないので警戒してましたが、WindowsXPで愛用していたソフトがほぼ使えたので、デスクトップと同等の環境を実現しました。
ウルトラモバイルPCのため、操作性はある程度犠牲になってますが、十分実用的。ウェブブラウジング程度なら、キーボードを出す必要もなし。キーボードの小ささを、ポインティングデバイスの優秀さで補っている感じです。
PHSで電話がかけられる超小型のWindows VISTA PCとしての完成度は高い。鞄に放り込んでおけるVISTAパソコンというコンセプトはすばらしい。それだけに惜しいのがバッテリーの持ち。何時間も持たなくて良いので、2時間ぐらいはバッテリー残量を気にせず使えれば、かなり印象は違ったと思う。スリープモードでの消費が激しいのも同様。電源管理に関しては、アップデートによる改善を期待します。
電話機能はオマケ程度、電源必須の超小型パソコンに納得できれば、間違いなく買いです。自分的には満足度70%、電源問題が解決すれば、80%ぐらいに上昇するかと。不満はあるけど、僕は買って良かったと思ってますよ。
そんな感じで。
■WILLCOM D4 ブラック:Amazon.co.jp