●はじまりのボタン●
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カチリと音がした。その音だけが、やけに響く。自分が目をつぶっていたことに気づき、恐るおそるまぶたを開く。

 

僕をいじめた連中はいない。かわりに、ボタンをくれた、あの人が立っていた。

「結構、早かったね……」

その人は悲しげに笑う。僕は、自分がすごく悪いことをしたように思った。