カチリと音がした。その音だけが、やけに響く。自分が目をつぶっていたことに気づき、恐るおそるまぶたを開く。
僕をいじめた連中はいない。かわりに、ボタンをくれた、あの人が立っていた。
「結構、早かったね……」
その人は悲しげに笑う。僕は、自分がすごく悪いことをしたように思った。