★日記のようなモノ★
─2006年10月─
郁雄/吉武のダラダラ日常記 毎日〜1週間おきに不確定更新

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▼2006年9月 / 2006年11月▲

2006年10月1日(日) 献本ひと段落/アナログ無惨/〈蟲師〉を読んだ
2006年10月2日(月) 〈クイックハルト〉の装丁について
2006年10月3日(火) 〈クイックハルト〉のレビューがぞくぞく到着
2006年10月4日(水) 〈クイックハルト〉が影響を受けた本
2006年10月5日(木) 〈クイックハルト〉中島近恵特集
2006年10月6日(金) 〈クイックハルト〉に至る道のり その1
2006年10月7日(土) 〈クイックハルト〉に至る道のり その2
2006年10月8日(日) 〈クイックハルト〉世界観について補足の必要性
2006年10月9日(月) トライアスロン気味
2006年10月10日(火) 〈クイックハルト〉ドライブスペース概論 その1

2006年10月11日(水) 〈クイックハルト〉一番手痛いレビュー
2006年10月12日(木) 〈クイックハルト〉精進します
2006年10月13日(金) 〈クイックハルト〉普通ではないトコロ
2006年10月14日(土) 結婚式に遅れず到着
2006年10月15日(日) 〈ゼノサーガ I・II〉再開/送迎ドライビン
2006年10月16日(月) 〈クイックハルト〉完結性の欠如
2006年10月17日(火) 〈クイックハルト〉値段分の価値/〈砲艦銀鼠号〉をどうしよう?
2006年10月18日(水) アダプター交換は良いけれど
2006年10月19日(木) 暗き運動公園ドンドコ
2006年10月20日(金) 〈クイックハルト〉初の購入者レビュー

2006年10月21日(土) 〈クイックハルト〉最重要人物/最初だけ面白い
2006年10月22日(日) ビデオ消化日
2006年10月23日(月) 具合イマイチ
2006年10月24日(火) 〈クイックハルト〉リアルPowerBook G3ユーザ
2006年10月25日(水) ゲホゲホ復帰気味/ブラウザアップグレード
2006年10月26日(木) 〈クイックハルト〉世界と小説のあり方
2006年10月27日(金) 鼻ズル消費量増大
2006年10月28日(土) 日光旅行移動のみ
2006年10月29日(日) 江戸村良いトコ
2006年10月30日(月) 〈クイックハルト〉メインウェポンも良し
2006年10月31日(火) ハナ風邪の拡散 ゼロさん復活

▼2006年9月 / 2006年11月▲ 
■2006年10月31日(火) ハナ風邪の拡散 ゼロさん復活

 異相神が来る

 先週から風邪気味なのだが、症状はセキのみに。あとは治るのを待つだけなのだけど、なんか僕の周囲の方々がゲホゲホやっているような気も……せ、生体兵器?

 約2ヶ月前の花火大会の日に修理に出した、PDA的PHS端末のウィルコム〈W-ZERO3〉が戻ってきた。やたらと時間がかかるなと思ったら、実は修理自体は1週間ほどで完了していたのだけど、上手く連絡が取れなかったとのコト。3日おきに連絡してたが、ずっと圏外だったというけど……代替機のPHSは、ずっと電源を入れて持ち歩いていたんだがナァ。いったい何番にかけていたのやら。それにPHSがダメなら、自宅に連絡する手もあるんじゃないかと。向こうも平謝りだったし、別にウィルコムに愛想をつかしたワケでもないけど……もうちょっと、しっかりして欲しい。
■2006年10月30日(月) 〈クイックハルト〉メインウェポンも良し

 部位系

 皆様のご協力で充実しまくりの拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日は、コチラのサイト様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ!

    ●ちょっくらBlogでGO!! / レビュー1  献本について

 楽しんでいただけたようで何よりです。
 主人公のメインウェポンについては、2001年の年賀状に描いている他、何度も自分で手直しをしておりまして、今回ようやく、それなりに納得の行く形になったかな、と。デザイン的には、アニメ版〈銀河英雄伝説〉の戦艦ブリュンヒルトに影響を受けていると思ってます。
 本の値段については、自分で価格設定したワケではないので、何とも。千円台の本にしては、けっこう文章量は多めですけど、やっぱり高いですね。自分で値段をつけて良いなら、千円ポッキリという所でしょうか。中盤を膨らますとなると、もっとページ数が増えちゃうナァ。

●ブリュンヒルト1/2500
■2006年10月29日(日) 江戸村良いトコ

 尼楊曲

 日光旅行2日目。
 中善寺湖畔の宿に泊まったのだが、周辺の紅葉は7〜8割といった感じ。悪くはないが、まだまだでした。

秋の日光秋の日光
秋の日光秋の日光

 そして今回の旅の本命である日光江戸村へ。時代劇なテーマパークだけど、全体的にチープな印象は否めない。撮影用のセットも、なんかボロボロでした。でも、全体的に頑張ってる感があるのは好印象。本格時代劇にはほど遠いけど、大衆娯楽に徹した見世物小屋的B級感は、コレはこれでアリのような気がしてきた。

日光江戸村

 特に〈ニャンまげ劇場〉でやっていた短編映画は、チープな子供向け作品ながら、色々がんばっていて見応えがありましたよ。江戸村に行ったら、必ずニャンまげ映画は観ておくベシ。

哀愁ノにゃんマゲ様
ニャンまげ様〜

 その他のアトラクションも、若干くたびれた感じはするものの、悪くない。全体が斜めになった忍者怪怪亭は、平衡感覚狂いまくりで楽しかった。大忍者劇場のアクション演劇(写真撮影、フラッシュ可)は、アクションでも魅せるが、けっこうシリアスな話。最初におひねり用の紙を配っていたのはナイスでした。はじめての、おひねりシュート!
 帰りも事故渋滞で不当に時間がかかったけど、なかなか愉快な旅行でしたよ。

日光江戸村

●日光江戸村
■2006年10月28日(土) 日光旅行移動のみ

 軟体さん

 日光へ一泊旅行。
 けっこうな大所帯のドライブ旅行だったのだけど、僕はハナ風邪が完治せず、ゲホゲホ、ズルズルとやっていた。熱はないし、今週だって仕事も休んでいないのだが、なんか皆さんから半病人以上病人未満な扱いを受ける。そんなに顔色悪いかナァ?
 道は事故渋滞でけっこう時間を食ったのと、日光中禅寺湖畔まで来たところで混んでいた。ホテルについて、温泉入って、飲み会は早めにパスして雑魚寝。写真は男体山。

秋の男体山
■2006年10月27日(金) 鼻ズル消費量増大

 1番線の、ドアが閉まりません、ご注意ください

 風邪の症状がハナ風邪に移行。
 手持ちのポケットティッシュが足りなくなるほどのズルズル状態。ふぃ〜、苦しい。
 週末は、日光に一泊旅行へ行くので、レビュー紹介等はそれ以降になります。ご了承ください。
■2006年10月26日(木) 〈クイックハルト〉世界と小説のあり方

 雷潜水班

 クイックハルトで噂になってる「巨乳」って知ってましたか?! と、クチコミ紹介されているかもしれない拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日は2つのサイト様がレビューしてくださいました。まずはコチラから。ありがとうございますっ!

    ●鍋茶碗 / レビュー

 恋愛要素より世界観の部分で読ませてほしいとのこと。う〜ん、頑張ります。
 続いてお次は、コチラのサイト様。ありがとうございますっ!

    ●最果てのゆりかご / レビュー

 世界のありかたや、ラスボスの存在について考察されております。もちろん色々考えてはおりますが、本作では深く追求せず「そういうモノ」と割り切って捉えた方が良い……と、推奨したいトコロ。でも実際、世界観が気になってストーリーに入り込めない、という方が結構多いようで。ここらへん、完璧に読者の反応を読み間違えてました。そうとわかっていれば、もうちょっと別なアプローチをしたんですけど。限られた枚数内で話が完結していない点、要素が散漫な点もふくめ、著者の力不足が原因なので、今後の改善課題といたします。世界観については、当サイトの日記にて適宜解説を行っておりますので、ご参考にしてください。
■2006年10月25日(水) ゲホゲホ復帰気味/ブラウザアップグレード

 大紋白カッター

 風邪の症状がノド痛から、セキへ移行。
 タンがからんで、ひたすらゲホゲホやってました。体がダルい感じはけっこう収まったのですが、無理にセキをしてるのでノドへの負荷が高い。こまめにうがいするコトで対応するしかないな。

 Webブラウザの〈Mozilla Firefox 2.0〉が公開されていたので、さっそくインストール。新しいモノは、とりあえず入れてみるのが好きな、アップデートマニアです。新版で目新しいのは、タブ表示の右端に、タブを閉じる×ボタンがついた所ですか。まぁ、僕がメインで使っている〈Opera 9〉ブラウザに、ちょっと前からついてる機能ですけどネ。プラグインを導入しなくても、個人的に欲しい機能がほとんど揃うのが、Operaの良い所。
 Internet Explorerは、最新版7のβ版が、あんまりな出来(特に初期バージョン)だったのと、IE6で「使うなボケ!」と言わんばかりの、凶悪なパッチ適用後の動作不良があったせいで、すっかり疎遠に。とはいえ、大多数の方が使っているブラウザであるし、なにより作家的に、ルビ機能[るびきのう]をサポートしている点は、絶対に外せない。まぁ、あんまし僕以外に使ってる方はおられないようなので、ネット巡回にはOperaで十分なワケですが。

●Firefox 2.0
●Opera ブラウザ: ホーム
●Microsoft Internet Explorer 7 : ホーム←日本語のIE7正式版は、まだリリースされていません
●MS、月例パッチに不具合--IEが異常終了
■2006年10月24日(火) 〈クイックハルト〉リアルPowerBook G3ユーザ

 効能枝酸

 書名で検索すると、レビューがたくさん引っかかるようになった拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日はこちらのサイト様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ!

    ●booklines.net / レビュー 献本について レビューについて

 気に入っていただけたようで、何よりです。
 こちらのサイトの管理者様とは、レビュー献本を行う以前にメールでやりとりをさせていただいておりまして、その時の経験が、今回の企画を立ち上げるヒントとなりました。書評系サイトの方に、こちらから献本させていただくのはアリだな……と。おかげさまで、本書をたくさんの方にレビューしていただくことができました。
 PowerBook G3を所有されていたとのことですが、実は僕、Macは1台も買ったことがありません。以前の仕事で、看板印刷機のデータ編集用にPowerMacを使っていたので、一通りの操作はできますが。一時期、PowerBook G3を中古(3万ぐらい)で購入するコトを真剣に検討したのでけど、結局買わずじまいでした。けど、同じ黒いノートでも、IBM(現Lenovo)のThinkPadとは異なる生物的な丸みのあるデザインは、なんか好きですね。まだ売ってるかナァ。

●PowerBook G3-333
■2006年10月23日(月) 具合イマイチ

 火税

 風邪をひいたらしく、喉が痛い。暖かくして寝た。
■2006年10月22日(日) ビデオ消化日

 等述

 何をするでもなく。
 グッタリ、ゴロゴロとしながら溜まっていたビデオを観賞。面白かったが、今後の自分が書くべき作品と対比してみて、ちょっと憂鬱な気分になってしまったり。そういう世界に足を踏み入れてしまっていたことに、今さら気づく。頑張ろう。
■2006年10月21日(土) 〈クイックハルト〉最重要人物/最初だけ面白い

 零逢賛

 なんだかんだと続いている拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日はこちらのサイト様にレビューしていただきました。ありがとうございますっ!

    ●ウィンドバード::Recreation / レビュー

 読みやすさ、テンポの良さについては、現在の自分なりにベストを尽くしたつもりです。作品世界の入門編として間口を広くすることを狙ったのですが、その分、薄くなりすぎたきらいはあります。ここらへん、もっと修業する必要アリと感じています。いやいや、他にも改善すべき点は多々あるワケですが……小説努力いたします。
 で、こちらのレビュアー様が気に入ってくださった"レイアさん"とは、登場人物紹介に出てくる"ストレイジーク"という人物の本名です。今までのレビューでは、あまり焦点の当たっていないキャラクターですが一応、本書の最重要人物の1人。気にしてくださる方がいて良かった……。

 お次は、ソーシャルネットワーキングサービスのミクシィにてレビューしてくださっています。ありがとうございますっ!

    ●ミクシィ / レビュー ←注:閲覧にはミクシィのアカウントが必要です

 閲覧できない方のために要約しますと、最初の1/3は面白かったが、それ以降は詰めが甘く色々な意味で意味で惜しい作品、とのこと。次はもっと面白い作品を書けるよう、努力いたします。
■2006年10月20日(金) 〈クイックハルト〉初の購入者レビュー

 辛抱宴料

 拙著〈クイックハルト〉の献本レビュー……ではなく、本日は購入者レビュー。しかも、レビュアー様は著者の職場の同僚です。ご購入いただいた上に、レビューまで。ありがとうございますっ!
 著者を個人的に知る方のレビューも面白いと思い、ご紹介させていただきます。

    ●ぐっさんメモ / レビュー

 例によって、レビュー内容は一切、お任せしております。
 え〜、レビューに対する著者の返事が言い訳みたいとのご指摘ですが……おっしゃる通りです。いちおう、既読者に情報を補完し、未読者に興味を持ってもらえる書き方を狙っているつもりではありますが、つまる所は言い訳ですね。
 1点、ドライブスペース上で領土問題が発生する点につきましては、以前ご説明した通り、同様の時代設定を持つ国家群は同一の仮想地球領域上に配置され、空間的に自由に行き来することができます。有史世界領域連合内は、旧世界(現在の我々が住む世界)の歴史的な状況が再現されているため、モデルとなった時代に領土問題が発生した地域の境界は、史実と同様に流動的となる可能性があります。領土問題が発生した地域の領有権については、政治的交渉、クイックハルト、直接的な戦闘(直接戦闘が禁止されているドライブスペース国家間で戦争を行う手段については後日、解説いたします)などの結果によって変化します。ここで、史実と大幅に異なる領有権が確定した場合は、先日の時代設定を逸脱した科学技術と同様、一定の期間が経過すると、紛争が発生する前の状態にリセットされます。

 それと、上記以外の著者の知人によるレビューですが、現在、ソーシャルネットワーキングサービスのミクシィにて、〈クイックハルト〉のレビューが3件、公開されております。こちらは著者が知人に依頼して書いていただいたものです。
 ちなみに、ミクシィ上での公開を前提としたレビュー献本も受け付けております。

    ●ミクシィ / レビュー一覧 ←注:閲覧にはミクシィのアカウントが必要です
■2006年10月19日(木) 暗き運動公園ドンドコ

 水兵ウェアとマシンガン

 週に1度の運動の日。
 本日は、横浜市上大岡の近くにある久良岐公園という所へ初めて行った。住宅街の中にある、けっこう広い公園なのだけど、入口がよくわからず、しばらく車で付近を迷走。ようやく見つけた公園の駐車場で運動の準備をしていたら……なにやらドンドコドコドコと謎のドラムの音が。どこかに"部族"の方でもいらっしゃるのでしょうか? 人跡未踏のジャングルに分け入る探検隊員が、真正面からカメラに見据えられる気分で、公園内突入。けっこう広くて、走ったり体操したりするには十分な広さ。謎のドラム音の正体は、公園内で練習されている方々がいただけでした。なにげにこの音が、広い公園内で現在位置を知るための参考になったりして。夕食は焼肉。
■2006年10月18日(水) アダプター交換は良いけれど

 あたふた〜

 先日、PHS最大手のウィルコムより、大型の封書が届きました。
 何事かと思ったら、中身はUSBケーブルを使用した充電用アダプター。W-SIMという通信カードを使用した、差し替え式の携帯端末〈nico.〉を7月に買ったのだけど、そのアダプターが不良品だったらしい。良品を送るので、不良品を返送せよとのコト。送り返す前に記念撮影。不良品のアダプターは、表に薄く丸いくぼみがあるのが特徴。わかりにくいですが、写真で言うと右側の奴ね。

nicoアダプター交換nicoアダプター交換

 回収騒ぎになったコトはともかく、すぐに良品を送ってくれた手際に不満はありません。
 どちらかというと、8月26日にW-SIMカードを使用したメイン端末である〈W-ZERO3〉をウィルコムプラザに入院させてから約2ヶ月経つのに、何の音沙汰もないコトの方が……。最初の話では、2〜3週間で直るって話だったのですが……。ウィルコムプラザに電話しても、繋がらないんですが……。〈W-ZERO3〉に機種変更して約10ヶ月。実に使用期間の1/5は代替電話機の京ぽん2こと〈WX310K〉なんですケド……。今度は〈nine〉ですか、左様でございますか……。

●ウィルコム、「nico.」の一部ACアダプターが変形で交換へ
●ウィルコム、W-OAM対応のシンプルなストレート端末「9」
■2006年10月17日(火) 〈クイックハルト〉値段分の価値/〈砲艦銀鼠号〉をどうしよう?

 安藤波動

 なんだかんだでレビュー数が10件を突破していた、拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日は、こちらのサイト様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ!

    ●■ A-Zはまだ生きています。とアピールする場 ■ / レビュー 献本について

 非常にオーソドックスなレビュー。こころもち平均点高めに書いていただいて、大変ありがたいです。近恵スキーさん向けコンテンツも、ご用意してありますヨ。で、こちらで問題視されている値段の件ですが、僕も読者としては文庫版派。ご立派な装丁より、リーズナブルかつコンパクトさを重視します。あの、本屋に並んでいるデカい小説本って、いったいどういう人が買ってるんでしょうね?……と、本書を出す前は、僕自身もそう思ってました。

 で、私事なんですが、最近気になっている小説本があります。椎名誠さんの〈砲艦銀鼠号[ほうかんぎんねずごう]〉という作品。〈アドバード〉や〈武装島田倉庫〉に連なるSF系の作品らしく、あらすじを見るとモロ、〈武装島田倉庫〉の続編っぽい。〈武装島田倉庫〉の文庫版を読んだのは、今年の8月。英国、ロンドンのヒースロー空港にて、テロ事件の影響で飛行機待ちしている間にほとんど読みました。独特の昭和テイストな大崩壊後の世界は、とても魅力的。書店で、〈砲艦銀鼠号〉のハードカバー本を見かけ、アノ話の続きが読みたい!……と思いつつも、価格と大きさに躊躇してました。この方の作品なら、確実に文庫版が出るだろうし、無理に急ぐ必要は無い……と、ね。

 作家として十分実績があり、一読者として好きな方の最新作ですら、千円を超える値段と大きさには躊躇する。まして、無名の新人作家の本に1,500円も出せないというのは、非常に納得できるハナシです。でも、ですね──ハードカバー本の後に文庫版が出るのは、本が一定数売れた後の、廉価版という位置づけです。つまり、そのうち文庫版が出るだろうから待とう……という人が100%だったら、ハードカバー本を元にした文庫版は出せないコトになるのですよ。どこかの誰かがハードカバー本を、出版社が損をしないだけ買ってくれているからこそ、文庫版が出せるというコト。小説、マンガ、ゲーム、映像ソフト、何でも気になる作品は、発売日直後に正規ルートで購入する……コレは、地味ながらも作品および制作者に対する、確実な応援になるのではないでしょうか。どこかの誰かが買ってくれるのを期待して、廉価版を待っていては、創作者は育ちませんよ! と、いうコトで……。

砲艦銀鼠号

 買っちゃいました。
 ハードカバーで1,300円也。表紙硬ッ、デカッ! でも、好きな作家さんへ貢献できて嬉しいです。
 あ〜、ちなみに拙著〈クイックハルト〉は"ソフトカバー本"なので、デカいけどハードカバー本よりは邪魔になりませんよ〜。装丁もわりかし凝ってますよ〜。と、PKさりげないツモリで自己宣伝をした所で、本日は終了。
■2006年10月16日(月) 〈クイックハルト〉完結性の欠如

 間欠星

 手軽に手厳しく評価していただきたい、拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日は、こちらのサイト様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ!

    ●「斬」と生死を共にするブログ / レビュー

 シビアな評価ですが、読みやすさを評価して下さったのはありがたいです。
 作品に単体としての完結性が感じられなかったことは、著者の力量不足。次にどんな作品を書くにしろ、この点については留意いたします。キャラクターの魅力もしかり。有史世界領域連合のシステムについては、解説その2にてご紹介したいと思います。興味がおありでしたら、ご一読いただければ幸いです。
 一点だけ、時代を先取りした技術についてご説明させていただきますと、仮に〈昭和日本〉の技術者が〈平成日本〉レベルの技術を開発した場合、その技術が〈昭和日本〉を著しく変革しない限り、その未来技術は〈昭和日本〉でも使用を認められます。ただし、時代を先取りした技術には有効期限が設けられており、一定の期間を過ぎると〈昭和日本〉上でその技術の存在は抹消されます。また、仮に〈昭和日本〉で〈平成日本〉レベルの携帯電話システムを開発できたとしても、機器の製造コスト、システムの維持管理費は〈昭和日本〉の水準では天文学的な価格となり、製造可能であることと、一般に普及させられることとはまた、別の問題となります。
■2006年10月15日(日) 〈ゼノサーガ I・II〉再開/送迎ドライビン

 サンデーナイトドライバー

 Nintendo DSの〈ゼノサーガ I・II〉を再開。
 〈ファイナルファンタジーIII〉を挟んで、しばらくプレイしてなかったため、ストーリーを良く覚えてない──いや、最初から理解できてない?──ですが、章ごとに細かく区切られているので、とりあえずゲームを進める上で何をすれば良いかはすぐわかりました。けっこう終盤。

 夜は自家用車を出し、両親を乗せてホームセンターへ。
 両親はそれぞれ買いたいモノがあり、僕は自家用車を動かすことができる。それぞれの利害が一致したというワケです。こうでもしないと、なかなか車を動かす用事が無くて。
■2006年10月14日(土) 結婚式に遅れず到着

 銀河英雄の夜明け

 仕事関係の結婚式に出席。
 鎌倉から千葉まで、電車でエッチラ。途中から高速バスを使用する手もあるのだけど、道路は混み具合で到着時刻が変わるから安心できない……なら、多少時間はかかっても電車の方が安全であろう。そう思ってたら、電車が事故の影響でストップしやがりました。幸い、別なルートが生きていたので大して遅れずにすみましたが、電車だから安心というワケでもなかったです。
 結婚式は、昼から夜まで滞りなく終了。また、電車でオッチラ帰って参りました。
■2006年10月13日(金) 〈クイックハルト〉普通ではないトコロ

 奸計星

 先日、拙著〈クイックハルト〉をレビューして下さった方が、私のコメントを元に本書の核心部分を突く考察をしてくださいました。以下のリンク先の文章は、本書の重要なネタバレであると同時に、著者がもっとも読んで頂きたい部分に着目されております。未読の方はご注意下さい。
 ものすごく助かりました。ありがとうございますっ!

●七転び八転び・・・(c)鳥頭 - クイックハルト 選択を任せるという事

 ちなみに、先日いただいたレビューにて、主人公がヒロインに出された結果を「精神的に決別された」と表現されていたのですが、コレ、上手い表現ですね。そのまま使わせていただきます。
 以下も、ネタバレ要注意。

 以前に書いた経緯の通り、本書はソコソコ真面目に設定が組まれた世界です。謎の敵の行動にしても、意味不明なようでいて、裏でさりげなく首尾一貫した意図が存在します……が、同時に、これらを本書の600枚という限られた枚数で説明することは不可能です。ぶっちゃけ、謎の敵の意図を明らかにして打破することも、世界の謎を明らかにして世界を革新することも、今回は放棄せざるを得なかったのです。
 限られた枚数でテーマを完結させる。この点で本書が重点を置いたのが、主人公とヒロインの関係性と、その結論……つまり、上記のレビュアー様が考察されている点です。幸運にも本書の続編を書くチャンスがいただければ、謎の敵や世界の謎についても明らかになるでしょうし、そのためのネタも本書にたくさん仕込んであります。ですが、今回の物語に限って言えば、主人公とヒロインの関係性を際立たせるためだけの要素にすぎないのです。
 ですから本書は──

 周囲を山に囲まれ、外界から隔絶した山村に異民族が襲来し、村を守るために敵側の代表者と決闘する戦士として選ばれた若者が、特権的な地位を得、ヒロインと一緒の生活を守るため決闘に挑み、勝利したにもかかわらず、ヒロインからは精神的に決別される話

※ヒロインとの関連性について抜けていたので追記し、一部表現を修正しました:2004/10/16

 ──でも良かったりします。
 著者としては「謎の敵よりも世界の謎よりもヒロインを優先し、彼女"達"が生きる世界を守るために闘い、勝利したにもかかわらず、気づいた時には精神的に決別されている主人公」という点が、本書の"普通ではない"、"特徴的"な部分であると主張したいトコロ。本書の真のラスボスは謎の敵ではなく、普通の人間に過ぎないヒロインなのです。だからこそ本作は、"世界の敵に勝って、ヒロインに"してやられる"物語なワケです。
 ここらへん、「SFバトルアクション小説」としてではなく、「SFバトルアクション的な背景設定を持つ、青春小説」であるとの認識で読まれると、違和感が少ないかも。

 それと、上記のリンク先の最後にちょっとだけ、謎の敵についても考察がなされております。呼称については、事件の発端となったメールの件名である" N:'-[ "から名付けられた俗称なので、敵がそう名乗ったワケではありません。ですが実は、この件名には隠された意味があったりします。ヒントは、最初の事件が起こった日付。この件名にある細工をすると……。
■2006年10月12日(木) 〈クイックハルト〉精進します

 鈴美優

 毎日新しい話題が出るって良いなぁと思う、拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。
 本日は、コチラのサイト様にレビューしていただきました。ありがとうございますっ!

    ●HEARTS-Enigmania / レビュー1 

 文章、構成レベルについては、より精進しますと言う他ないです。本書を書き上げた時点では、これが限界でした。出版形態については、こちらに書かれている通りです。ま、出版社名で検索していただければ、すぐわかることと思いますが。そういった点を差し引いても、レビュアー様のココロの琴線に触れる部分があったようで、何よりです。自分なりに光る部分を磨いて行きたいと思う次第。
 前にも書きましたが、現時点では良かれ悪しかれ、何らかの評価をしていただくことが最重要課題と認識しております。
■2006年10月11日(水) 〈クイックハルト〉一番手痛いレビュー

 健康奉仕

 このサイトを立ち上げて6年。今月は、一番小説方面で真面目に更新しているんじゃないかと思う、拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。
 本日は、コチラのサイト様にレビューしていただきました。ありがとうございますっ!

    ●七転び八転び・・・(c)鳥頭 / レビュー1 

 正直言うと、今までいただいたレビューの中で、一番手痛い内容です。
 主人公とヒロインの関係性について、コチラで指摘されている点は、たしかに"物分りが良すぎ"、と思うトコロではありますね。ただ、言いたいコトを言えと主張したのは主人公自身ですし、そこでヒロインが出した答えは受け入れざるを得ない……そしてここで、昭和、平成的な常識外の裏技的手段で2人が一緒にいる方法を模索することは、ヒロインが主張する極めて主観的な"普通がいい"という範疇から外れるから現時点ではアウト、ということではないかと。この点については、以前にご説明した本来の1話を書かせてもらえるチャンスがあれば、お答えできると思います。こんなんばっかしやな。
 本作は、世界の敵に勝って、ヒロインに"してやられる"物語なのです。
■2006年10月10日(火) 〈クイックハルト〉ドライブスペース概論 その1

 到来部数兵州

 Amazon並に早く着くと評判(?)の拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本書が売れるか否かは、あなたのレビューにかかっておりマス! まだまだ募集中!

 そんな感じで本日より、9月にワタクシ郁雄/吉武が出版した小説〈クイックハルト〉の舞台となる、ドライブスペースと呼ばれるデータ上の世界についてご説明させていただきます。以下の解説は、本書を読む上で必ずしも必要な事柄ではありませんが、作品世界の理解をより深める上でお役に立てるかと存じます。また、詳細な説明を加える関係上、本書のネタバレとなる事柄も記載されておりますことを、あらかじめご了承下さい。ネタバレしない範囲でおおよその概念のみ、お知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

●ドライブスペース概論

 ドライブスペースとは、未来世界に構築されたデータ上のみで完結する世界の総称です。あらゆる事象が演算によって処理されておりますが、高度に進化したシステムを使用しているため、日常的には旧世界(現在の我々が住む世界)と区別することは不可能です。
コラム:ドライブスペースの使用言語
 ドライブスペース全体で使用される、共通の言語は存在しない。ドライブスペースの要素を表す語句も、個々の領域が独自に名称を設定している。なぜなら、この世界には実用的な精度を持つ翻訳システムが存在するため、言語を統一する必要性がないからである。本解説にて使用する固有名詞は、本書に登場する21世紀初期をモデルとしたドライブスペース領域〈平成日本〉内で一般的に使用されているものである。
ドライブスペース概要
図1-1:ドライブスペース概念図
 上図がドライブスペース全体の概念図です。
 ドライブスペース全体は、管理体と呼ばれる存在によって維持管理されています。ドライブスペース内には、領域体と呼ばれるグループが複数存在し、互いに独立した存在としてドライブスペースを運営しています。基本的に、異なる領域体で相互に行き来することはできません。本作に登場する、ドライブスペースを運営する組織であるヴァリアブルス条約機構は、この領域体のうちの1つです。複数の領域体が独立して存在するため、仮に1つの領域体に深刻な問題が発生しても、ドライブスペース全体に被害を及ぼすことを防ぐことができます。これは、細分化された個々のドライブスペース領域についても、同じことが言えます。
コラム:ドライブスペースと世界伝説
 ドライブスペースは完結した世界であり、外部よりの補給およびメンテナンスを必要としていない。ドライブスペースの成立過程、およびドライブスペース外世界の情報は公表されておらず、そのためドライブスペースの成立と外部世界にまつわる、様々な想像が個々の領域でまことしやかに伝えられている。これを一般に、世界伝説と言う。無数の世界伝説の中には、あるいは真実が含まれているかもしれないが、それを確かめる術はない。中島近恵と彩雲千早の補償交渉にて語られる日系国家〈アスタバード〉を含む世界もまた、世界伝説で語られるものの1つである。
ドライブスペース概要
図1-2:ヴァリアブルス条約機構概念図
 上図がヴァリアブルス条約機構全体の概念図です。
 ヴァリアブルス条約機構(変数条約機構 以下、数機構)は、ドライブスペース内に存在する無数の領域体の1つにすぎませんが、それでも広大な領域を有しております。領域内には、様々な設定の領域群が存在し、それぞれ独立した運営を行っています。本作に登場する有史世界領域連合は、数機構内に存在する領域群の1つです。数機構の本部は、数機構アルヴヘイム。
ドライブスペース概要
図1-3:有史世界領域連合概念図
ドライブスペース概要
図1-4:火星領域[マーズドライブ]域概念図
 上図が有史世界領域連合、および火星領域[マーズドライブ]の概念図です。
 有史世界領域連合(以下、有連)は、旧世界に実在した国家をモデルにしたドライブスペース領域群です。ドライブスペース国家は時代設定ごとにグループ化され、仮想的な地球上に配置されます。同一の地球領域に設定された国家同士は、空間的に自由に行き来することができます(ただし、出入国は現地の法律によって制限される)。地球領域群は、時代毎に階層的に配置され、基本的に古い時代設定の領域より、新しい時代設定の領域への移動のみ、許可されています。本作に登場する〈平成日本〉が所属する火星領域[マーズドライブ]は、21世紀前半をモデルとした仮想地球領域群、〈昭和日本〉が所属する月面領域[ルナドライブ]は20世紀後半をモデルとした仮想地球領域群であり、月面領域[ルナドライブ]から火星領域[マーズドライブ]への移住は、比較的容易です。有連の本部は特設領域、有連イスタンブール。
コラム:開放型領域と、閉鎖型領域
 ドライブスペース領域は、大別すると開放型と閉鎖型の2種類が存在する。世界がデータ上の仮想空間であることを一般に公表している領域を開放型領域、秘匿している領域を閉鎖型領域と言う。本作に登場するドライブスペース領域〈平成日本〉は、仮想世界であることが周知の事実であるため開放型領域、また、中島近恵と彩雲千早の補償交渉にて語られる日系国家〈アスタバード〉を含む世界は、閉鎖型領域となる。一般的に、複数のドライブスペース領域に細分化された世界は開放型領域であることが多く、その世界の住人が到達できる範囲すべてが、単一のドライブスペース領域である場合は閉鎖型領域であることが多い。仮に、我々が住む現在の世界がドライブスペース領域の1つであるとすれば、その事実が公表されていないため、閉鎖型領域となる。
 次回に続く
■2006年10月9日(月) トライアスロン気味

 Nimo 2 Bang!

 本日はなんと、トライアスロンに挑戦ですよ……と言えば聞こえは良いですが、実際はプールで25m×10往復で500m、自転車で7キロ、公園2週で3キロ弱を"自主的に"踏破するという、なんちゃってトライアスロンです。一応、完走はしましたが、自転車で走ってる途中、急坂を登り切った所で貧血ダウンするというアクシデントが発生。僕は普段、「一般人の運動は健康のためにするモノだから、頑張るのは良いが、頑張りすぎるな!」と主張しているのですが、言ってる僕自身が頑張りすぎちゃったみたいです。テヘッ。

盛況運動公園

 快晴というコトもあり、公園は結構な人出でした。
 園内でランチして、バレーボールで50連打を達成して解散。何げに体育の日に運動しまくってしまいました。
■2006年10月8日(日) 〈クイックハルト〉世界観について補足の必要性

 背会館

 〈クイックハルト〉ってどうよ? と聞かれたら、とりあえず微妙な笑顔でオススメいただきたい、レビュー献本企画。本日は、コチラのサイト様にてレビューしていただきました。ありがとうございますっ! レビュー献本、まだまだ募集してますっ!

    ●ウパ日記 / レビュー

 ヒロインの巨乳方面で評価していただけて、非常にありがたいレビュー。
 構成については、精進しますとしか申しようがありませんが、作品の世界観について省略しすぎたのは、やっぱり大きなミスだったな、と思う次第。昨日の本書執筆の経緯にある通り、600枚という限られた枚数で完結させるためとはいえ、データ上の世界で〈平成日本〉、〈昭和日本〉、〈大正昭和日本〉など複数の世界が平行して存在している、という設定を物語上で活かしきれていないのは認識しております。著者自身は6年も付き合っている世界観なので、至極当然のモノとなっていたため、ここらへんの基本設定を面白いと思ってくださる方──そして、この世界観についてもっと知りたいと思ってくださる方──が、ここまで多いとは正直、予想していませんでした。
 次回作では、これらの設定を十分活かした上で、より作品世界への理解が深まる物語を書くことをお約束します!

 ……と、威勢良く宣言するのは簡単ですが、そもそも本書が一定以上売れなければ、続編を書かせてもらえるワケもなく。出る保証のないモノに空手形を切っても仕方がないので、近日中に、本作に登場するデータ上の世界〈ドライブスペース〉の世界構造について、理解の助けとなる解説文を掲載させていただこうと思います。本来は作中で解説すべき事柄ではありますが、興味のある方は、ご一読いただければ幸いです。
■2006年10月7日(土) 〈クイックハルト〉に至る道のり その2

 週貼絵

 9月に出版した拙著、〈クイックハルト〉をレビューしてくださる方に献本させていただく、レビュー献本企画。現在も受付中ですので、お気軽にお申し込み下さい。レビュー内容は一切、お任せです。よろしくお願いします!

 本日は昨日の続きで、ワタクシ郁雄/吉武の創作活動について、その2。
 当サイトを一般公開した2000年4月1日の日記に、〈クイックハルト〉のことが書いてあって、自分でもビックリしました。いつまでかかってンだか。そしてコレが、あとがきに記述した2001年の〈クイックハルト〉年賀状。基本は変わっていません。
 そうそう、〈すわんde剣姫[でソードプリンセス]〉、〈ストレイトティーブレイク〉と書いて、次に考えたのが〈クイックハルト〉でした。当時、〈新世紀エヴァンゲリオン〉の二次小説を沢山読んでいたので、原作者以外の方々が無数に物語を創っている、というのが興味深かったです。で、そういうのを書いてる方に、エヴァは描かれていない部分が多いので、想像を膨らませる余地がたくさんあるから二次創作の素材として使いやすい、というような話を伺いました。すわんを書いていた時は、ともかく完璧に世界観を完結させることに必死だったので、穴があるから良い、などという話は非常にショックでした。完璧にやっちゃイカンのか、と。
 そこらへんも念頭に置いて、構想を立てた〈クイックハルト〉。こちらに初期設定が書いてありますがコレ、今回の話ではなく、20年後の話です。名前が同じで設定の違うキャラがいたりするのは、そういうコト。本書のあとがきに、"2回の全面改稿を経て"とありますが、1回目に書き始めたのがこの物語です。設定も、当時とはけっこう変わってるし。……が、書いてみて、コリャとても終わらないな、とも思いました。世界観を説明し、主人公の設定を説明し、謎の敵と因縁があって……とやってると、原稿用紙1,000枚でも納まりそうにありません。どうしたモンかと思っているうちに、本書の執筆は停滞してしまいました。
 もちろん、この他にも書きかけで終わった作品はたくさん存在しますが。

 次に発表したのは、〈裏側の月世界〉という作品。サーファーズパラダイス小説コーナーにてWeb連載させていただきました。こちらで1話のみ読めます。以降を読むには、有料登録が必要です。手軽に読めないので、少し詳しく作品解説をしますと、20世紀初頭ぐらいの科学技術を持つ、架空の月世界が舞台。ヴェルヌの〈月世界へ行く〉を下敷きにしています。月の裏側に人の住める領域があり、そこへ砲弾ロケットに乗って訪れた、主人公のカナタ少年と、銀毛の大型犬シルバー、モノグサだけど有能な美女、ヒースロウ教授の2人と1匹が冒険を繰り広げる話。物語はカナタ少年の1人称形式で進みます。新月騎士団という謎の敵が出現し、ヒースロウ教授と闘うのですが、敵と味方が何のために闘っているかは、最後まで明らかになりません。裏側の月世界の各所に存在する、月世界文明の遺産が関係しているようですが……。この作品は200枚未満で完結と、枚数的には上手くまとめられたと思っています。視点を主人公1人に限定すると枚数が絞れる、というのはこの作品で学びました。はじめて、小説を連載して原稿料をいただいた作品でもあります。あと、Web小説はタダで公開しないと読んでもらえないってコトもね!

 この頃、会社をリストラされ、しばらく無職でした。ニートという言葉が生まれる前だったので、クラス名はプー太郎。沖縄北海道へ行き、車を買ってドライブしたりと、アウトドアな引きこもり生活が続く。時間がタップリあれば執筆が進むというモノでもなく、〈クイックハルト〉も煮詰まり気味。なにか手っ取り早く送れる小説賞はないかと応募したのが〈電気仕掛けのブンガク賞〉という、PDA向けの短編小説賞。すぐ読み終わるゲームブックみたいなモノです。コレに〈はじまりのボタン〉という作品を応募して、作品賞とギミック賞を受賞。実質的な1位です。この作品、なにが良いって、コストパフォーマンスが激高。構想1ヶ月、執筆1晩で、賞金と副賞のPDA2台(2部門受賞だから)もゲットしてしまいました。これがきっかけで、執筆依頼が! ……と、期待したものの、特にそういうコトもなく。短編じゃダメみたい。

●海獺の読書感想文対策 - ◆ 王冠のような髪型と落語の親和性に関する考察
※〈はじまりのボタン〉をご紹介いただいています。タイムリー!

 〈クイックハルト〉は、色々考えているうち、最初に考えた話を書く前に、世界観を説明するプロローグ編を書いた方が良いのでは、と思うようになる。ゼロ話、あるいは誕生編って奴ですね。コレが本作〈クイックハルト〉の原型となっています。主人公とヒロインが出会い、事件が発生し、やがて巨大な敵の存在が明らかに……闘いはこれからだ! オォ、コレぐらいなら短くまとめられそうだ! と、書き進めていたのですが、複数キャラ視点で書いていると、コレでも話が長くなるし、それに……。と、やはり停滞気味。いつまでも完成しないと恥ずかしいので、当日記にて〈クイックハルト〉を取り上げるコトもスッカリなくなりました。
 この頃に書いたのが、〈きせきのハオル〉という短編。伝奇アクション時代劇です。元々はマンガの原作にしようと考えたのでけど、結局マンガ企画は頓挫し、原作のみの公開。

●海獺の読書感想文対策 - ◆ 黒ナースをいかに普及させるかについての考察
※〈きせきのハオル〉をご紹介いただいています。ワンダホー!

 さすがにプー太郎はマズいというコトで、某所でパソコンを教える仕事をはじめる。といっても、明確な業務内容があるわけではなくて、派遣先の方々から、パソコン関係のよろず相談を引き受ける感じです。派遣の仕事というのは、自分には合ってるなと痛感。正社員として組織に所属するのは、なにかとツラかった。
 で、〈クイックハルト〉の方は、ゼロ話を1/3ほど書いた所で、完全に煮詰まる。原因は色々ありますが、最大の問題はヒロインの設定。最初は、"幼なじみのフリして本当は実の兄妹……でも主人公ラヴ"という設定だったのですが、どうも書いてて面白くない。属性がないっつ〜の? どうにも乗れず、2度目の全面書き直し。なんとかモチベーションを高められる設定は……というコトで考えたのが、直球ド真ん中に"巨乳"という設定。これは書いてて燃えましたね。物語の視点も、複数ではなく主人公1人に固定。で、どうにか完成版とほぼ同じものが半分完成。知人に読んでもらった感想も、なかなか良かった。

 パソコンを教える仕事の契約期間が終了し、それから別口で東京に派遣仕事へ。職場や業務内容は変わってますが、コレが現在も続いている仕事です。派遣は気楽でイイなぁ。〈クイックハルト〉は半分書いたものの、後半の〈昭和日本〉編がなかなか進まない。書くべき事柄はたくさんありますが、すわんのように枚数が増えまくるのは避けたかった。できれば前半の〈平成日本〉編と同程度のボリュームで完結させたい。600枚未満で完結させるのが目標なので、書く要素を絞る必要があった。謎の敵は、本来の1話で片付けるとして、世界観の説明も必要最低限に抑えました。世界観は自分で納得できるレベルで造り込んであるけど、それをイチイチ解説するのはクドくなるし、ストーリーに絡めた形で解説するとなると、絶対的に枚数が足りません。ということで、物語は主人公とヒロインの関係のみに限定し、それ以外の要素は主人公が知覚できるモノ以外は省略という形に。それで完成したのが、本作の第1稿。完成版とほぼ同じ内容ですが、ラストバトルがもっと短く、かわりに本来の1話に続く、エピローグがありました。

 完成してヤレヤレ……と思ったのだけど、知人に読んでもらったら終盤の評判が悪い。ラストバトルがしょぼい、エピローグ最悪と言われ、それからアレコレあって、出版社の方にもオチだけは変えてくれと言われ、現在の形になったという次第。結局、前半の〈平成日本〉編より、後半の〈昭和日本〉編の方が、若干長くなってしまいました。僕としては最初、ともかく謎の敵よりも、世界の謎よりも、主人公とヒロインの関係に焦点を当てたかったので、比較対象となる中島近恵の出自は詳しく書いても、ラストバトルはさっくり終わっていいやと思ってました。でも、エンターテイメントとしては盛り上げる形に改稿して正解だったのかな、とも思う。カットした本来のエピローグは、コレはこれで良いという意見もあったけど、潔く削除。かくて本作は上梓されたという次第。もっともコストパフォーマンスが高かった〈はじまりのボタン〉に比べ、〈クイックハルト〉の何とコストパフォーマンスの悪いコトよ。
■2006年10月6日(金) 〈クイックハルト〉に至る道のり その1

 筆致四訓

 1,500円を出す価値があるかは微妙だけど、レビューと引き替えにタダ読みする程度の価値はあるらしい、拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日も、コチラのブロガー様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ! 

    ●ただ、抽斗ω / レビュー ←注:PCからは見られません

 ……ただし、コチラはケータイ専用のW+BLOG(http://w-blog.jp/)にて公開されているため、パソコンからは見られません。閲覧するためには、携帯、PHSよりW+BLOGにアクセスして会員登録(無料)していただく必要があります。ちなみに僕のは〈さりげなく壁紙ブロギング〉という、普段はケータイ壁紙を公開しているブログです。

 本日は、ワタクシ郁雄/吉武の創作活動について。
 そもそも、創作を志したのは中学の頃、アニメ〈天空の城ラピュタ〉を映画館で観てから。ラピュタが飛行船なら、僕は潜水艦だ! ……と考えてたら、〈不思議の海のナディア〉が放映開始に。結局、まわり廻って飛行船モノを考えていた。今でも、飛行船にはウルサイです。
 はじめて小説を書き上げたのは、高校生の頃。学校の図書委員会で小説コンクールをやっていて、それ用に書いたのがはじまり。〈楯と戟と〉という短編で、中国の古典である〈矛盾〉のエピソードを元にしています。本来は、ありえないモノのたとえ話なのだけれど、もし無敵の楯と無敵の戟が──互いに矛盾する存在であるにもかかわらず──存在したらどうなるか、という話。ウダウダと1年ぐらいかけて書いたら、コンクールで1等と図書券をいただきました。執筆で収入を得たのは、これが最初です。
 それから、当時募集開始されたばかりの第1回富士見ファンタジア小説大賞に応募してみようと思い、作品を書き始めたのだけれど、とても既定枚数に納まりそうもなく、執筆も応募も断念。この頃、考えていた作品は〈王立宇宙軍 オネアミスの翼〉みたいな異世界近代モノ。スケールが大きすぎて、当時の僕の能力ではとても、満足できるレベルで書ける代物ではなかったです。でも、自分の原点ともいえる作品なので、いつかは執筆してみたいですね。

 高校を卒業後、一浪しても大学に受かることができず、デザインの専門学校へ。その頃から漠然と、自分は作家になるモノだと思い込んでいたのですが、絵を描くのも好きだった。理想を言えば、自分で文章を描いて、挿絵も描ける作家になりたい。小説は独力で勉強できるけど、絵は我流では限界がある……というコトで、デザイン学校のグラフィックデザイン科に入学。後から思うと小説の書き方も、ちゃんとした基礎を習っておいた方が良かったと思いますケド。デザインの授業はコンピュータ無しで、手描きの技術のみでした。
 この頃に書いたのが、〈それからの幻想譚[ファンタジー]〉というファンタジー小説。世界の危機を救った勇者パーティーのうちの2人が、荒廃から復興のきざしの見える世界を旅する話。RPGで、エンディングを迎えるた後の最強に強まったキャラ達が、ラスボスのいない世界でどう過ごすか? というのがテーマ。これは書き上げたんだけど、ワープロ専用機で書いたのでデジタルデータは手元にありません。デキも今考えるとそれほど良くないしな。

 デザイン学校を卒業する前に、バブル経済が破綻。デザイン関係の会社には就職できずブラブラしてたら、親のコネでデザインとは全く関係のない会社に就職。しばらく働いてたけど、会社の本業では役に立たないというコトで、ディスプレイ用の大型シールを印刷する仕事を与えられた。今でも横浜近辺に、僕が印刷した看板やディスプレイがあったりします。この会社に就職してからパソコンを覚え、執筆もデザインもデジタルでやるように。
 この頃に書いたのが〈すわんde剣姫[でソードプリンセス]〉という学園ファンタジー。でっかい剣を持った美少女が、悪の獣人秘密結社と闘う……という、およそ自分では書きたくないようなコテコテなテーマを、あえてやってみました。ライトノベルとして軽く書くつもりが、1年半かけて完結してみたら900枚近くなってしまったという、内容以前の部分で大失敗した作品。短くまとめるのは、ホント苦手。当サイトにて公開してますが、ディスプレイ上で読むのはツライと思う。ダウンロード推奨。僕の長編小説は印刷を前提に書いているので、ネット向きじゃないです。この作品は、同人誌を制作し、イベントにて販売もさせていただきました。自分の小説を手売りするのも、なかなか楽しいモノです。あるお客さんが、すわんの見本を手にして、「コレ、マンガになりませんか?」とおっしゃったのは、今でも忘れられない思い出です……なりません。

 次に書いたのが、〈ストレイトティーブレイク〉という剣劇モノ。中世風異世界の半島国家にある学園を舞台に、剣士と策士を目指す2人の少女が活躍する話。2話まで書いてストップしてますが、続きはいつでも書けますよ。コレも印刷してイベントで手売りしてました。すわんは印刷所に頼んだのだけど、ストティは家のレーザープリンタで印刷し、自力で製本したため、イベント前は出力、製本、検本と、ささやかな地獄を垣間見たモノです。
 この頃、当サイト★Astronautを開設し、以後はネットを中心に活動しております。長くなったので、続きは次回に。
■2006年10月5日(木) 〈クイックハルト〉中島近恵特集

 投棄投網

 拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本。本日は、コチラのサイト様がレビューして下さいました。ありがとうございますっ!

    ●雲上四季 / レビュー 献本について

 ううっ。またまた近恵[このえ]スキーなレビュアー様が。
 以前のレビュアー様の中にも、「巨乳ヒロインはインパクトあるけど、近恵さんが好き」というようなコメントがチラホラ。ここで言う"近恵さん"というのは、キャラクター紹介に出てくる中島近恵という女性のコトです。本日は、みんな大好き、近恵さん特集……左様でございます!

中島近恵
中島近恵

 以下の文章は、ネタバレを含みます。いちおう、未読の方でもわかる内容にはするつもりですが、ネタバレはご容赦ください。なんとなく、本編に載っていない情報も書いてあるけど、気にするな! キャラクター紹介設定解説にある通り、中島近恵女史はヴァリアブルス条約機構という、データ上の世界、ドライブスペースを管理する組織に所属する外交員です。映画〈マトリックス〉で言うところの、エージェント・スミスみたいなポジション……のハズですが、無限増殖して主人公に群がる趣味はなく、いたって温厚で理性的な女性。1人称は「わたくし」、口癖は「左様でございます」、です。
中島近恵さん

 ドライブスペース内では普段、データ的にモノが消えたりすることは滅多にありません。これは、ドライブスペース上に存在するすべての物質に"存在権"という権利があるからです。"生存"権ではなく、"存在"権なのがポイント。これは旧世界(今、我々が生活している世界)で言う、質量保存の法則と似たようなモノで、生きていようと、死んでいようと、すべての物質はデータ的に勝手に消えてはならない、というモノ。ドライブスペース上で存在が定義されたモノは、それがどんな姿であれ、決して消滅しないよう設計されています。この原則が破られることは、あってはならないことなのですが、もしそれ──深刻な存在権の侵害──が起きてしまった場合、ヴァリアブルス条約機構は専門のエージェントを派遣して、問題の解決を図ります。そこで、中島近恵女史の出番というワケ。

中島近恵とスバル1000
 ここらへんのいきさつは本編を読んでいただくとして、おそらくレビュアー様の多くが近恵スキーになったであろう理由は、彼女が人格的にものすごく"良い人"であり、既婚者で未亡人の"模造人間"(有機アンドロイド/レプリカント/アンディー)だから、でしょう。SFで良くあるパターンとして、知識や経験を脳に直接ダウンロードして、たちまち超達人というのがあります。〈クイックハルト〉の世界でも、そうしたことは技術的には可能ですが、模造人間の近恵さんは、人間社会で普通に暮らしすことで人格を形成しました。だって、彼女は生物学的な寿命が設定されておらず、時間が半永久的にあるのですから。インスタントに知識や技術をインプット、などと野暮なことをする必要がありません。コトコト、じっくりと、彼女の情緒は形成されて行きます。
 近恵さんが暮らしていた世界は、本編の主人公たちが暮らす、21世紀初頭をモデルとしたドライブスペース領域〈平成日本〉より、2世代前の領域にあたる〈大正昭和日本〉、つまり戦前の大日本帝國をモデルとした世界です。彼女はそこで、とある海軍軍人の男性と知り合います。この軍人さん、会ったばかりの近恵さんに、イキナリ結婚を申し込みます。外見は大人でも、生まれて──もとい、製造されて間もない近恵さんは、結婚という概念が辞書的な意味以上に理解できず、ホイホイと承諾してしまいました。そこで中島姓となるワケです。結婚相手が何者であるか、本編では明確に語られておりませんが、戦前に大財閥を形成した中島姓の人物と言えば、わかる方にはおわかりになるでしょう。つい、なりゆきで結婚し、ヴァリアブルス条約機構の仕事はお休みして専業主婦となってしまった近恵さんですが、彼女の結婚生活は幸福なモノであったようです。それを伺わせる、一枚の写真があります。

中島夫妻

 ラヴラヴですね。
 どうやら近恵さん、乗り物の運転が好きなようです。ご主人の仕事の関係で、飛行機の操縦もできるらしいですよ。そんな二人も、ついに死によって分かたれる時が来ます。近恵さんは模造人間なので肉体的に年を取らず、ご主人は老衰で亡くなってしまいました。夫の最期を看取る。とても悲しい体験でしたが、それまでの幸福な結婚生活が、彼女に借物ではない、造り物ではない、深い慈愛の心を育んだのです。六十年余りの結婚生活の後、彼女はヴァリアブルス条約機構の仕事に復帰し、外交員としての仕事を二十年こなします。そうした人生経験をふまえて〈平成日本〉へおもむき、本編に登場する中島近恵女史は、外見的には二十代後半の姿ながら、実年齢は八十歳の大正昭和なモダンガール、というワケなのです。
 彼女は人間ではありません。ですが、人間以上に人間の心の温かさを知っているので、ヴァリアブルス条約機構の職員という立場を守りつつも、相手のことを心から想って行動することができるのです。だから、近恵さんに接する人はみな、彼女が大好きになってしまうのでしょう。つ〜か僕自身、書いてて何て良い人なんだ! と、つくづく思ってましたヨ。
 ドジっ娘アンドロイドの見果てぬ旅路に、幸多かれ。

中島近恵眼鏡無し
オマケ:眼鏡無しバージョン
■2006年10月4日(水) 〈クイックハルト〉が影響を受けた本

 図工亭主照れ屋

 皆様のレビューの中で、拙著と他の作品を比較されているのを、いくつか拝見いたしました。未読のものも多いので、おいおい読ませていただこうと思います。不勉強でスイマセン。
 本日は、〈クイックハルト〉を執筆する上で影響を受けた、もしくは意識した作品について。作品紹介では、"エヴァンゲリオン風のマトリックス"なんて説明してますけど、実はマトリックスを観たのは本作の構想を立てた後ですし、エヴァは本編よりむしろ、多用な展開を見せる二次創作の方が興味深かったりします。
 いちおう、売れ線ということでライトノベル(キャラクター小説)っぽい雰囲気は出してるつもりですが、実際の引き出しは違うところ──SF小説や青春小説──などにあります。

 まず、SF小説的な面から影響を受けた作品と言うと、アーサー C.クラークの〈都市と星〉。はるかな未来のドーム都市に住む少年が、閉鎖世界から脱出し、さまざまな世界を冒険した末に、何だか凄い領域に到達して世界を変革する、という話。傑作として誉れ高い作品であり、僕も凄く面白い話だとは思うのですが、この作品の主人公……地元の女の子に優しくありません。『女にうつつを抜かすより、世界の真実を追究する方が大事ナリ!』というポリシーによって、世界を変革しちゃうのだから、それはそれで偉いけど、うっちゃらかされた女の子の方はたまったモノではありません。〈クイックハルト〉のストーリーを〈都市と星〉のキャラクターに当てはめて解説すると……

──ドーム都市ダイアスパーに住む主人公のアルヴィン少年が、
ヒロインのアリストラとの関係に振り回されながら、とりあえずは現状維持のため、
ダイアスパーを守るための闘いに参加する──

 てな感じ。
 世界の真実とか、謎の敵よりも恋人を優先する主人公、というのも面白いかなと思ったのです。世界観の説明が少ないのは、主人公が認識していない、あるいは興味のないことは書いていないからで、ここらへん、主人公の考えと読者の求める情報にズレがあるな、という感じです。ただ、世界観の説明をキッチリするというのは善し悪しで、SFになじみのない方だと、ポイントによっては本作程度の説明でも理解しきれないという場合もあるようです。読者の間口を広げる意味で、濃い説明をカットしたのはひとつの方法論かもしれない、と愚考する次第であります。いや、けっこうお年を召した方でも、本書を読破されている方がいらっしゃるようなのですよ。

 また、〈クイックハルト〉は青春小説という面もあります。特に意識したのが椎名誠さんの〈哀愁の町に霧が降るのだ〉、〈新橋烏森口青春篇〉、〈銀座のカラス〉という、いわゆる青春三部作。作家として大成される以前の、学生時代から社会人時代の自伝的小説です。これらの作品はほぼ、主人公の視点のみで描かれ、それ以外で何が起こっているかはわからないし、事件の真相が明かされない、あるいは尻切れトンボで終わることもしばしばです。友達と共同生活を始めたり終えたり、何となく喧嘩バトルが発生して勝ったり負けたり、アルバイトをはじめてすぐ辞めたり就職したり、デートに誘った女の子が突然ゲラゲラ笑い出したり、脈絡があるような、ないような……でも、その混沌が面白い。何だかわからないけど、主人公のまわりで何やら事件が発生し、主人公も自分の認識出来る範囲で出来ることをする。利口ではないけど、ひたむきな青春時代。〈クイックハルト〉は、そんな青臭い感じを狙った面もあるのです。まぁ、こういう作品はセンスが問われるモノなので、オメェの文章にゃセンスがねぇから説明不足なだけだと思われるンだよ、と言われれば、まったくもってスミマセンと言う他ないのですが。

 かくのごとく、本書を大別すると、ライトノベル(キャラクター小説)、SF小説、青春小説という3つの要素から成り立っているのかなと思います。ライトノベルとしてキャラの掛け合いやマニアックなネタを楽しむのも良し、SF小説として世界観にツッコミ入れるのも良し、青春小説としてせつなさを炸裂させるのも良し。皆さんのココロの琴線に触れる部分で、お好きなように本書を楽しんでいただければ幸いです……どっちつかずっスか? 左様っスか。
■2006年10月3日(火) 〈クイックハルト〉のレビューがぞくぞく到着

 オジンに「へぇ」無し

 拙著〈クイックハルト〉のレビュー献本として、以下のサイト様にて、レビューしていただきました。
 ありがとうございますっ!

    ●Something Orange / レビュー 献本について
    ●最年少50口径 Ver2 / レビュー
    ●海獺の読書感想文対策 / レビュー
    ●むぅにぃの駄文戯れ言 / レビュー1     献本について

 読みやすい、まっとうなSF、世界観の描写が足りない、巨乳、近恵さんラヴ……といった感じでしょうか。にしてもヒロインより人気があるな、中島近恵女史。次があったら、彼女をメインにしてみようかしらん? ヒロインは、人格的にはどうよと著者自身も思いますが、キャラとしては書いてて面白かったですね。巨乳設定は、書いている奴のテンションが上がった!
 拙著をレビューしていただき、誠にありがとうございます。こちらで捕捉したレビューサイト様は上記の通りですが、ほかにレビューしたのに紹介されてないヨ、という方がおられましたらご一報ください。そして、昨日のクイズの答え。

クイックハルト

 段ボール……。
 最初は参考にするって言うから、テキトーにデザインしたのに、まさかそのまま使われるとは。いや、実際は若干、レイアウトを変更してもらってますが。それなりに気合いは入れてましたけどね……んでも、最初から使ってくれるとわかってたら、もうちっとマシな素材を使ったヨ。
■2006年10月2日(月) 〈クイックハルト〉の装丁について

 爆弾投下兵 Calling you

 献本用の拙著〈クイックハルト〉がぞくぞくと、レビュアーの皆様の元へ到着しているようで。せっかくお手元に現物がある方が複数おられるので、本日は〈クイックハルト〉の装丁について。作品紹介ページに著者名としてワタクシ、"郁雄/吉武"のペンネームが記載されているのは当然ですが、なぜか"装丁(カバーデザイン)"もやっているコトになってます。同人誌じゃあるまいし普通、装丁を著者自身がやることは少ないと思われます。
 ……が、実はやってるんですな。本書末の経歴にもある通り、デザイン学校を卒業しておりますので。もっとも僕が通っていた頃は、手作業でやってた最後の時期のため、アナログな技術しか習っておらず、デジタルデータに関しては我流ですが。

クイックハルトロゴ

 ↑コチラがロゴのデザインデータ。
 ロゴの書体も既存のフォントを使用せず、フルスクラッチでレタリングしてます。ちなみに、当サイトにて使用しているロゴもみな、自分でデザインしておりまよ。
 お次はカバーをめくってみて下さい。

クイックハルト表紙のひみつ

 ↑なんと、表紙にカバーとは異なるイラストがっ!←大袈裟
 漫画などではオマケとして良くあるモノですけど、小説でコレをやってるのは少ないのではないかと。カバーおよび本文イラストは、友人で月刊ジャンプでの連載経験もある、マンガ家の丸山トモヲさんにお願いしていますが、カバー下の表紙イラストは自分で描いてます。コレが何なのかは、本書を読まれた方ならおわかりになるかと思います。メカデザインとキャラ原案もやってますよ。
 それと、カバーの下地として使っている緑色のテクスチャ、コレなんだかわかりますか? 稲光のような、ヒビのような模様になってると思いますが、けっこう身近にあるモノです。正解は次回にでも。コレに間違いなし! と、確信された方は、先に正解を掲示板に書いておきますので、答え合わせをしてみてください。
■2006年10月1日(日) 献本ひと段落/アナログ無惨/〈蟲師〉を読んだ

 超理想ソーセージ

 拙著〈クイックハルト〉について書いて下さるサイト持ちの方に、本書を無料で進呈するというレビュー献本企画。アクセス数の落ち着きとともに、申し込みの方もひと段落という感じです。ぼちぼち、本書が到着してレビューしてくださる方もいらっしゃるでしょうから、それらの評価によって、これからが決まると思われます。レビュー献本につきましては、ひきつづき募集中ですので、お気軽にご参加下さいませ。

 先日、ケーブルテレビを導入したのですが、デジタル放送のコピーガードのため、手持ちのアナログハードディスクレコーダーでは録画できず。それは知ってたのだけど、ケーブルへの加入と同時にアナログWOWOWをデジタルWOWOWに変更する必要があると言われ、そのまま変更したら……当然といえば当然なのですが、WOWOWまで録画不可に。コレは困るとケーブルテレビの会社に言ったら、アナログWOWOWに戻してくれました。それでひとまずメデタシだったのですが、本日なんだか、WOWOWが観られない状態に。スクランブルの解除機能が働いていないらしく、電波妨害がかかったようなショワショワ画面に。ケーブルテレビの会社に問い合わせたら、アナログWOWOWはケーブルと無関係だから、WOWOWに直接聞いてくれと、これまた当然と言えば当然のタライ廻し。結局、WOWOW側からデコーダーへ認識用の信号を送信してもらい、どうにか再び視聴可能に。ケーブルテレビのデジタル放送と、アナログWOWOWの併用って、なんだか不安定で困りますよ。単に進歩が足りないだけですか?
 やっぱり、デジタル放送対応のハードディスクレコーダーを買うべきかも。

 友人の家で、漫画〈蟲師〉1〜6巻を一気読み。さまざまな民話的怪奇事件の裏に、"蟲"と呼ばれる精霊的な存在が介在しているという、和風ファンタジー。一見すると人智を超えた現象でも、実は体系化された"何か"が存在するように思わせる造りが、なにげにSF的だと思った。惑星ソラリスの海にも、蟲が棲んでいるのですかね?

●蟲師:Amazon.co.jp

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