ゲームとしては完成しているが、押さえるべきポイントが外された微妙にガッカリなゲーム
〈リモートコントロールダンディSF〉を裏シナリオまでクリアした。
プレイステーション2のロボット操作アクションゲーム。プレステのコントローラーのボタンをほぼ全部駆使して、巨大ロボと主人公を同時に操作しながら怪ロボットと戦う。R1ボタンで右足、L1ボタンで左足を動かし、まさしく"歩行"させる所が素晴らしい。各ステージごとに操作課題があり、操作の複雑さとも相まって、やり応えのあるゲームになってます。クセのあるメカデザインと人形劇ふうのキャラクターは微妙ですが気合が入っているし、レトロフューチャーな世界観は良い感じ。例によって発生した世界の危機に、主人公とヒロインが立ち向かうのです。
で、結論としてはなかなか楽しめるゲームになっているとは思うのだけど、いくつか気になる点も。まずはロード時間が長い。スキップ機能があるにしても長い。そしてロボットの巨大感が足りない。なんだか動きが軽いんだよね。その上、街並みがヨーロッパ風な上に生活感が皆無なので、壊しても壊されても金銭的な被害以上の感慨が湧かない。今までだと現代の日本が舞台だったので、そこで巨大ロボを大暴れさせることに何とも言えない背徳感があったのだが、そもそもメカ戦で被害を受ける人々の描写がまったくないということは、そういう面はスッパリ切り捨てたということか。随所にエヴァンゲリオンぽい演出があるのだが、あの作品ではちゃんと被害者の視点が描かれていたような。
おそらく制作者の意図したゲームとしては完成しているのだろうけど、従来の"リモートコントロールダンディ"というゲームの系譜を期待するユーザーにとっては、押さえるべきポイントが外された微妙にガッカリなゲームになってしまいました。凝ったSF設定の物語を展開する前に、街を壊されて怒り心頭の市民団体が苦情を言いに来る、ぐらいの演出は当然すべきだと思うのだけど。