黒部に行くべぇ
黒部渓谷旅行3日目。
本日が旅の本番と言ってもいいぐらい濃密なスケジュール。
昨日のトロッコ列車は、日本海に流れ込む黒部川が流れる黒部渓谷の北部を縦に移動していたのだが、本日は黒部渓谷のさらに奥にある黒部ダムを西から東へ真横に移動する〈立山黒部アルペンルート〉を征く。ちょうど"T"の字を逆さにしたような感じか。まさに"縦横無尽"に黒部を堪能するわけであります。
朝7時前にはホテルを出て、富山地方鉄道で立山まで。そこから〈立山ケーブルカー〉に乗って美女平へ。このケーブルカーは、客車の他に大きな貨車を牽いているのが特徴だそうです。
美女平から室堂までは高原バスで。乗り物としては普通ですが、要所の観光スポットで徐行してくれたりと、なかなか親切でした。
室堂の〈中部山岳国立公園〉で2時間ほどすごす。高山植物のほか、所々に火山性の噴気が見られたりと、なかなかに変化に富んだ場所でした。鳥の鳴き声っぽいのも聞いたのだけど、アレは雷鳥だったのだろうか?
お次はトロリーバス……という所で、チケットが見つからなくなる。原因は、乗り物毎にチケットがあると思い込んでて、適当に管理していたこと。どうしても見つからず、やむなく途中で再購入したら……ゲッ、5千円以上もするのか。統一チケットに至っては9千円もする。この出費は痛い。と、ここで諦めるよりは、次のバスの時間まで調べた方が良いと思い、もう一度冷静に捜索したら、ありました! 名刺ファイルの中に挟まってたよ。
窓口で事情を説明したら、新しい券は払い戻してくれたし、被害はバスを1本乗り過ごしただけ。でも、一緒にいたサワディには悪いことをした。スマン。
で、気持ちを切り替えて〈立山トンネルトロリーバス〉。トロリーポールを使って架線から電力を供給するタイプのバスで、正式には〈無軌条電車〉と言う。区分としては鉄道ということになる。日本では昭和40年代ごろまで都市部でも使われていたようですが、現在はここ〈立山黒部アルペンルート〉で2社2ヶ所しか走っていないという、非常にレアな乗り物。それに両方とも乗れちゃうんだから、メカ好きにはたまりません。
乗った感想なんだけど、ホントに"電車"という感じ。モーターの唸る音が電車っぽいのが一番の理由ですが、なにげに動きが素早いのも印象的。狭いトンネルを、バスにしては凄いスピードで走るものだから、ちょっと怖かったです。ハンドルで操作してるはずなんだけど、自動操縦装置でもついてるのかな? ちなみに、海外ではトロリーバスが現役で走っている都市もあるらしい。
トロリーバスの次は大観峰から〈立山ロープウェイ〉。途中に支柱がなく、一気に駅から駅を繋ぐワンスパン式。素直に"絶景"としか言いようがありませんな。
乗るのを待つために並んでいる時、駅員さんが観光ガイドをしていたのだが、最後に黒部の写真集の説明を始め、終わったと思ったらそこにいた駅員全員が凄い声で写真集を売り始めた。パフォーマンスとしては面白かったけど、唐突なハイテンションにお客は引き気味で、見てる限り一冊も売れてませんでした。どっちかというと出発前は宣伝だけして、ついた先で売った方が良いのではないかと。
ロープウェイの次は再びケーブルカー。〈黒部ケーブルカー〉は完全にトンネル内のみを移動。穴に潜っていく雰囲気が、〈AKIRA〉に出てくる例のリフトを彷彿とさせます。なにげに先頭部の中央をキープしたので、良い感じでトンネル内が撮影できました。
そしていよいよ黒部ダム。なんというか、呆れるほどデカいです。右手にダム湖があり、左手にダムを挟んで峡谷が続く。これを人間が造ったと思うと、素直に感心するほかない。それと、昨日〈
黒部川電気記念館〉で操作した定点カメラらしきものを発見。時々動いてたから、誰か僕と同じように操作してるんだなぁと思うのは愉快でしたよ。
ここで昼食をすませてからおみやげを買い、のんびりと。ダム湖では遊覧船も運行されていましたが、それには乗りませんでした。余裕があれば、ちょっと乗りたかった。
黒部ダムから扇沢までは〈関電トンネルトロリーバス〉。実は、コレに一番乗ってみたかった。立山のトロリーバスはトンネル内のみですが、こっちは屋外も走るらしい。広めの道を走る感じもバスに近く、短時間ながらトロリーっぷりを満喫いたしました。銀色のボディも格好良し。トンネル内に富山県と長野県の境があるそうです。ちなみに、バスの車内は2つとも普通に"バス"なので、電動という以外まったく面白くありません。
扇沢から信濃大路までは普通に路線バスで、そこからはJRの〈新型あずさ〉に乗り新宿まで。どうでもいいが、あずさ号には"特急"と"スーパー"と"新型"があるのな。電車内で駅弁を食べ、新宿でサワディと別れて無事帰宅。
たまには電車旅行も良いものですな。なにより、安心して酒が飲めるのが良い。天候も、
初日にちょっと雨が降った程度でおおむね良好。
2日目のトロッコ列車で、行ける場所が少なかったフラストレーションは、3日目の乗り物フルコース&散策で発散できたし。チケットを無くしかけたのは余計でしたが。
もし、次に黒部ダムへ行く機会があれば、車で長野方面から扇沢まで行って〈関電トンネルトロリーバス〉で黒部ダムまで行き、そこで遊覧船に乗ってみたいです。長野からなら、頑張れば鎌倉から日帰りも可能かも。ともかく、良い旅でしたよ。
●[立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド]