地球核決死行
WOWOWで放映した映画〈ザ・コア〉を録画で視聴。
舞台は現代。ある日、地球の中心核が停止してしまい各地で異常現象が多発して大ピンチ。中心核を再起動させるために選抜されたスペシャルチームが、地中潜航艇で決死のダイブ……という、現代を舞台にするには巨大隕石以上に手ごわすぎる自然現象(?)が相手。さらに、一行には予想外のトラブルが次々と起こり、ハラハラドキドキの連続。難しいことをやってる割に、難しいことを考えずに観ていられるエンターテイメント作品でした。
でも、この作品を最新最高のハリウッド映画と期待して観ると、色々な意味でガッカリすると思います。展開がいちいちお約束どおりなので、次に何が起こるか容易に予想がつくし、地球の内部という未知の世界が舞台なだけに、嘘ともいえないがCGがチャチなだけとも取れる映像は、肌に合わなければ単にウソ臭いだけでしょう。
それでも僕は割と面白いと思ったのだが、その理由はズバリ、古典的な空想科学的展開を、最新技術でまんまひねらず映像化した所。CG技術が発達する以前は、SF作家の想像力の中だけにしか存在しなかったようなスペクタクルを、映像として見られるのは純粋に面白いです。
つまる所この作品って、1980年代ぐらいに書かれた、当時は近未来である2003年を舞台にした当時としても古典SF的テイストの小説を、2003年に最新技術で映像化しました……という感じなんですよ。ただ、このノリを面白いと思う僕のような人間はいいけど、多くの人にとっては「今時、それはねぇだろう」と反感を買いやすい作品なのも事実。いっそ舞台を2003年ではなく、冷戦下の1980年代とか、第二次世界大戦末期の1940年代など、フィクションと割り切った時代設定にした方が良かったかも。どのみち無茶な設定であることに変わりはないのだからね。