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『人とロボットの秘密』最新の人型ロボット事情

『人とロボットの秘密』という本を読んだ。

人型ロボット開発の最新事情がよくわかる。本書は2008年に出版されたのち、ITmediaにて順次Web公開されているのだが、つづきが気になったので書籍版を買いました。

人間の機能と精神は機械的に再現できるかという、SFでは当然できるけど実際はなかなかむずかしい問題について、ガンダムやマジンガーZを引き合いにだして、わかりやすく解説してくれます。初期の人工知能の研究では、コンピュータのプログラムを発展させることで、人間の心を再現しようとして失敗。条件分岐を設定するだけでは、すべての状況に対応することはできないし、そもそも人間はすべての可能性を計算した上で行動しているわけではありません。

最新の研究では、人間らしい思考というのは人間の体と密接にかかわっており、人間と同等の精神を再現させるためには人間と同等の肉体が必要なのだとか。どこまで一致させる必要があるかはわからないので、ともかく似せることに注力している段階。

ここで紹介される、「受動意識仮説」というのが非常に興味ぶかい。従来、人間は意識(精神)と肉体のふたつがあり、意識というパイロットが肉体を操縦していると認識されてきました。「僕とあの娘の心と体が入れ替わっちゃった!」なんてフィクションは、この認識がもとになっています。しかし、、「受動意識仮説」では意識の指令によって肉体がうごいているのではなく、肉体は反射的におこなっている機能の集積によってうごいており、その結果として出力される物語が、意識なのだそうです。意識したからうごいているのではなく、うごいた結果をもとに意識が生成されている。なぜ意識がうまれたかといえば、反射的な行動だけではなく、前後関係をもとにした複雑な行動計画を立案するため。「こうするためには、ああしたほうがいいよね」と推論できれば、より合理的に行動できるから、というわけです。

たしかに、日常的な行為の大半は、こうしようと意識しなくても勝手にうごいている。むしろ、意識して制御している──と思っている──行為のほうがすくない。人間そっくりのロボットを造るときも、ロボットのシステムが単一の意志ですべてを制御するのではなく、さまざまなセンサーからの情報を並列処理し、目的のためにとりあえずうごいてみることで最適化するような方式が良いのかもしれません。

時代と技術は確実に進歩している

21世紀になったわりに、あんまし未来っぽくならねぇな思いつつも、時代と技術は確実に進歩していると感じるネタをいくつか。

マラリア対策に、蚊だけ狙撃してくれるレーザー防衛システム。家庭用のレーザー蚊取りが配備される日も近い?

ついにここまで来た! まだ進歩する余地はありそうですが、それでも確実にレベルは上がっている。不気味の谷(ロボットやCGキャラがリアルになるほど、人間との微妙な差異が違和感を生む現象)を超えられるのは、不気味の谷を超える努力をつづけた者だけ!

期間限定の公開だそうなので、これはみにいきたい。ガンダムのつぎはザクIIにも挑戦してほしいな。

それとはあまり関係なく、キャットはあちこちに出没している。