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『ポメラ』でなぜかワイヤレスキーボード『RUDO RBK-2000BTII』

芳名裸

しばらく『ポメラ』にかこつけて携帯テキストエディタについて語っていたら、むしょうに『Willcom D4』用の外付けキーボードが欲しくなりました。ポメが外付けキーボードになったらいいな、とか妄想したのがいけなかったのだろうか? ということでBluetooth接続の折りたたみ式ワイヤレスキーボード『RUDO RBK-2000BTII』を購入。値段は9,800円。

『Willcom D4』と『RUDO RBK-2000BTII』『Willcom D4』と『RUDO RBK-2000BTII』

単四電池2本をセットしてペアリングすると、さっくりD4で認識しました。いちどペアリングが完了すれば、接続が切れてもキーを押すだけですぐに認識してくれる。単独のファンクションキーがなく、括弧「」がEnterキーの上にあるなど、キー配列にクセがあるものの、なれれば非常に打ちやすいです。機器を立てかけるためのスタンドを内蔵するなど小技もきいている。Escキーが小さいのと、キーボードが折れないよう固定するためのロックがヤワく、動かしづらいのが残念ですが、完成度は非常に高い。メカメカしいデザインも好みはわかれるだろうけど、個人的には大変によろしい。いいもん買った!

で、ハナシは『ポメラ』にもどるのだけど、なんだか一部の通販価格がすごいことに。

定価27,300円が17,700円と、発売前に1万円ちかくの値引き。この価格がダンピングなのか、定価がボッタクリなのかわかりませんが、さいしょからこの値段なら、さして文句もいわずに買ってるっつの。やっぱ定価19,800円ぐらいが適正価格だよな、コレ。

27,300円なら、携帯テキストエディタ級の性能を期待するけど、17,700円なら電子メモ帳級でもよいかも。差額に相当する約1万円で、D4用の外付けキーボードも買っちゃったしね。
他の通販サイトが追随するかもしれないので、しばらく様子をみることにします。

『ポメラ』が欲しい人と『ポメラ』との乖離

不意流儀屋

『ポメラ』ネタは食いつきがいいようなので、続けてみます。
ポメはテキスト編集のみを目的とした携帯機器として注目を集めているわけですが、前回も書いたとおり、微妙に興味がある人のニーズを外している気がするのです。

なぜかと考えてみると、『ポメラ』が電子メモ帳として特化しているのに対し、興味がある人の多くが求めているのは電子メモ帳ではなく携帯テキストエディタ、なんですね。テキストしか扱えないけど、テキストデータに限ればいつでもガリガリ編集できる、アルティメット・テキストエディタが欲しいのに、メモ書きなら8000字以内でじゅうぶんでしょ……といわれると、サイズも、駆動時間も、キーボードも、日本語入力も必要十分なのに、なんで8000字しか書けないの? それで27,300円? ということになってしまう。世の中には、チラシの裏に大長編を書きたい人だっているのです。少なくとも、機器の仕様として大長編を書ける余地を禁じる必要はまったくない。たとえ、無理に巨大なテキストデータをひらいて処理速度が激烈におそくなったとしても、ひらけないよりはずっといい。

電子メモ帳としてではなく、携帯テキストエディタとしてこだわって欲しかった。よくぞこういう機器を商品化してくれたと賞賛したいのに、このポイントでものすごく損をしています。

僕が理想とする携帯テキストエディタは、2006年に発表したSF小説『クイックハルト』に登場させた『フィルギア(feelgear)』というマシン。

いまでいうネットブックにちかいですが──というか、いまみるとまんまネットブックですね──、電子辞書にテキストエディタとメーラー、ブラウザがついたものという設定。この作品の舞台は西暦2000年代初頭をモデルにした未来の仮想世界なのだけど、ここではモデルとなった時代の技術水準が許す範囲で、実在しない装置の存在が認められている。フィルギアは、実在したモバイルギアやシグマリオン、ペルソナといったハンドヘルドPCが絶滅せず、電子辞書と融合することで独自の進化をとげたマシン。ポメより大型で多機能だけど、ワンタッチで起動してテキスト編集を快適におこなうことに特化したマシンである点は共通しています。

この手のマシンは、編集者やブロガーといった、ネットで声の大きい人の嗜好にマッチするので、ネット情報だけだと、ものすごく需要があるようだけど、市場全体からみればごく一部の人がよろこぶニッチな商品らしい。そいう意味ではつぎにつなげるためにも、多少の不満には目をつぶってポメを買うべきなのかもしれない。

にもかかわらず、『ポメラ』が欲しい人のニーズと『ポメラ』の方向性とが微妙に乖離しているために、「欲しいけど、でも……」という煮え切らない反応になりがちなのではないかと。

もちろん、それでも買う人は買うだろうし僕にとってもそそられるガジェットなんだけど、ねぇ。

『ポメラ』で持ち運べる「無題.txt」エディタ

 彼女の夢は世界とつながっていた

 パソコンで作業をするとき、デスクトップに「無題.txt[むだいドットテキスト]」というファイルを作成します。Windowsで標準的に付与されるファイル名なんだけど、思いついた事柄を書き込んだり、気になる情報をスクラップしたり、日記や小説の下書きをしたりと、チラシの裏のメモ書きていどの情報を、この「無題.txt」に書くようにしています。ここに書くと決めておけば、あとで探すのが簡単ですし、消えてこまる情報は別ファイルに保存するようにする。消えても惜しくない情報をメモしておくファイルが、「無題.txt」なのです。

 こういうレベルのテキストを書くのに最適っぽいデバイスとして、キングジムから、液晶ディスプレイと折りたたみ式キーボードのついたテキスト入力専用機『ポメラ』が発表されました。起動時間は2秒、単四電池2本で20時間駆動、日本語入力はATOKとテキスト編集に特化した、いちぶの人にはうれしいガジェットです。うれしい。
まさに、持ち運べる「無題.txt」エディタの登場です。

 起動が2秒といっても、キーボードを広げるのに時間かかるんんじゃね? とか、内蔵メモリで8000文字までのファイルが6個しか保存できないのは、いくらなんでも少なすぎね? とか、性能をしぼったわりに27,300円は高くね? とか、疑問、注文はつきませんが、方向性としては大歓迎です。

 扱えるデータがテキストのみって、素敵ですね。

 現在、ウルトラモバイルPCの『Willcom D4』を愛用してますが、中身がWindowsパソコンなだけに、やろうとおもえばひと通りのことができてしまう。できてしまうのだが、コレが難点。移動中に起動すると、メールチェックやらWebサイトのチェックやらとアレコレやっているうちに時間がすぎてしまい、書こうと思っていたテキストに手がつけられない、なんてことが多々あります。ヒマつぶしには最適ですが、移動時間を生産的にすごすのには不向き。――いや、僕の軟弱な意志では、ということですが。

 その点、ポメならテキスト編集しかできないから、文章入力のみに専念できるのではないかと。調べ物がしたければ、D4でやればよいわけだし。

 ポメに関しては僕もふくめて、関心の高い方がおおいようです。
 いろいろな方の意見を拝見していると、難点として挙げられているのは大きく2つ。

  • 8000字の字数制限は致命的
  • 定価27,300円は高い

 字数制限は、CNETのインタビューにある「技術的な問題はないが、原稿用紙20枚程度の文字量のため、メモとしてはそれぐらいあればよいのではないかと思った」というだけの理由なら、今すぐにでも撤廃すべきだと思う。テキスト入力中に字数制限いっぱいだからと作業を中断されたらどう思うか? 既存のテキストを参照しようとしたときに、字数制限で8000字以降が読めなかったらどう思うか? この手のガジェットを求める層は、ひたすらにテキスト打ちをしたいわけで、そのための障害となるなるであろう要素は、とことん排除すべき。内蔵メモリがきびしいというなら、外部メモリに保存するテキストだけでも、処理能力がゆるすかぎり巨大なデータをあつかえるようにすべきでしょう。

 値段のほうですが、確かに高いです。理想をいえば1万円前半か、せめて2万は切ってほしい。とはいえ、コストとのかね合いもあるから、ホイホイと値下げはできないでしょうけど。提案なんだけど、ポメをUSBでパソコンなどにつなげたときに、外付けのキーボードとして使えるようにならないでしょうか? 折りたたみ式の外付けキーボードって4千~1万円前後するのですが、本体だけでテキストエディタとして使える外付けキーボードとしてなら、3万弱でも出せると思う。

 ポメでテキストを下書きし、『Willcom D4』や『Willcom 03』といったモバイル機器にUSBで接続してからは、外付けキーボードとして読み込んだテキストを編集し、書類を作成したり、メールを送信したり、ブログを更新したり……という使い方ができたら最高なんだけどな。

 この2点は、やってやれないことはないと思うのだが、どうだろう?
モバイルのテキストエディター専用機って、確実に需要があるのに供給の乏しいジャンルなので、『ポメラ』の今後の発展に期待します。ポメラニアンになるか(ポメを買うかどうか)は、いまのところ保留。