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なぜ電子書籍は引き算ばかりなのか?

何も足されないが、何か引かれてばかりいる。

AmazonのKindleで、ジャンプコミックスの電子書籍を購入。Kindleの専用端末ではなく、AndroidタブレットNexus7にKindleのアプリを入れたものを使用。途中まで紙の書籍で読んだ続きを、電子書籍で読もうって寸法。電子書籍版が、最新刊の手前までしかリリースされていないことにムッとしつつも、未読のものが2冊出ていたので購入。ダウンロードしてすぐに読めるのは便利。さっそく読み進めてたのですが、なんだかスカスカな印象。どうなってるのかと思ったら、読者からのハガキコーナーがまるまるカットされてる。作者のコメントも一部カットされてる。そして電子書籍なら可能なはずの、カラーページのカラー掲載などなく、当然のようにモノクロのまま。何も足されないが、何か引かれてばかりいる。電子書籍は、そんなのが多い。紙の書籍よりいくらか安いようだけど、まず定価と同じで良いから紙の書籍に劣る内容にするのは勘弁していただきたい。

電子書籍をいくつか買って思うのは、電子化への愛情のなさ。紙の書籍を造るのは大変だろうし、手塩にかけているのもわかる。対して電子書籍はありものの書籍をデータ化して、掲載に不適な部分をカットしてハイできあがり。ちょっと安くしときゃ問題ないだろって感じ。カラー掲載や一部の音声化、動画化とか、やろうと思えば電子書籍ならではのアップグレードは可能なはず。そこまでしろとは言わないまでも、紙の書籍と同等のクオリティで、同時リリースする。大人の事情がどうあれ、その程度のことも実現しないようじゃ、いつまでたっても電子書籍元年から暦は動きださないと思います。電子書籍イコール、廉価の劣化版ではないはずです。愛が足りないぜ。

なぜかスクリーンセーバーが起動しない

諸悪の根源は、オマエか!

最近、パソコンのスクリーンセーバーが起動しなくなった。起動時間を1分にしても、まったく表示されない。とりあえず、起動中のプログラムを片っ端から終了させてみると、たしかにスクリーンセーバーは起動するようになる。終了させたどれかが悪さをしているのは明白なのだが、特定がむずかしい。

やっぱり怪しいのは、映像や画像関係のプログラム。『iTunes』や、リモートデスクトップソフトの『TeamViewer』を疑ってみるが、終了して関連プロセスを強制終了させても改善せず。少しずつ、範囲を絞って犯人捜しをしていたら、ついに見つけました。

なんと犯人は電子書籍リーダー『GALAPAGOS』を管理する『GALAPAGOS Station』というソフト。コイツのプロセスを終了させたら、スクリーンセーバーが設定通りに起動するようになりました。最新版にアップグレードしても改善しないので、しばらくは使用したら強制終了させるしかない。なんでまた、電子書籍リーダーがスクリーンセーバーの起動を妨害しているのやら。

■2011/10/30追記

『GALAPAGOS Station』のバージョン1.2.1にて、スクリーンセーバーが起動しない問題が改善していることを確認しました。

『GALAPAGOS(ガラパゴス)』に透ける、電子書籍の理想と現実

いつが本当の元年なのか?

昨年は、各所で電子書籍元年だなんだと騒がれていた。でも、ずいぶん前から電子書籍リーダーって売ってなかったっけ? と思うことしきり。普及しなかった実績は、なかったことになるわけか。紙媒体の書籍が利便性に優れているのは確かだし、「紙の本じゃなきゃ嫌だ!」という方が多いのも事実。ただ、個人的にはモニターでテキストを読むのは、苦ではない。モバイル端末でテキストを読む習慣は1990年代後半、NECのモバイルギアが全盛だったころからありますもの。その後も、ウィルコムの京ぽん系ブラウザ搭載端末や、W-ZERO3といった初期のスマートフォン、ウルトラモバイルPCであるWillcom D4などで、テキストを読む行為は続けてきた。最近では、モバイルルーター経由でiPod touchを使うのがマストだった。

でもって昨年末、シャープの電子書籍リーダー『GALAPAGOS(ガラパゴス)5.5型モバイルモデル』を買ってみたわけですよ。長年のウィルコムユーザからすると、ガラパゴスは同じシャープ製であるW-ZERO3やWillcom D4の血脈をひしひしと感じる。尖ったコンセプトに、いまいち垢抜けないデザインとインターフェイス、地味に使いやすいポインティングデバイス。「目の付けどころ」が、まさにシャープな端末。

結論として、ガラパゴスはけっこう気に入ってます。自前の書籍をスキャンする必要もなく、パソコンにつないでダウンロード購入した書籍ファイルを登録する必要もなく、ただガラパゴス本体から「TSUTAYA GALAPAGOS」に接続し、欲しい本を買うという流れはシンプルで良い。それなりに、読みたい本が初期からラインナップされていたのも大きい。コミックスのラインナップが異様に貧弱なこともふくめ、ストアにない本は、従来通り紙媒体で買えばいいわけですし。

ただ、ガラパゴスという端末を気に入っているとはいえ、電子書籍というメディアそのものに多大な期待は持てないというのが現状。理想を言えば、電子書籍は新刊でも旧刊でも絶版でも安価に、瞬時に購入できて在庫切れは一切ナシという供給体制が取れるはず。でも実際は、すべての書籍が電子化されているわけでもなく、たとえ電子化されていても使っている電子書籍サービスが対応しているとも限らない。そして電子書籍化されたものを購入できても、装丁、挿絵などのクオリティが紙の書籍未満ということもある。絶版稀覯本を電子媒体で安価に購入する、などという贅沢を言う前に、新刊本を定価で紙媒体と同等のクオリティで発売日に購入できるという、実現できても何の自慢にもならない体制が整っていない。

たとえば、ガラパゴスストアでもプッシュしている『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』。この本は紙の書籍で大ヒットしているのはもちろん、電子版は紙の書籍版の半額で、大判のカラーイラストを収録し、試し読みもできると、電子書籍としての体裁もしっかりしてる。でも、この本を読んだらまずチェックしてみたくなるであろう、ドラッカーの『マネジメント』がガラパゴスストアにない。もちろん、抄訳であるエッセンシャル版も。『週刊ダイヤモンド Digital』など雑誌系でも、ドラッカーを特集しているというのに、肝心の原典が読めないというのは、どんな大人の事情があるにせよ、納得しがたい現状です。

電子書籍は、安価な供給とか、音や動画が埋め込める、絶版本も出せる、なんてプラスアルファを考える前に、まずは収録内容の面で紙媒体と変わらない電子媒体を、コンスタントに一元供給できる体制を整えるべき。書籍を出版する場合は電子版もかならずセットで出す、ぐらいの仕組みを作らないと、いつまでたっても本当の意味での「電子書籍元年」は来ないと思う。逆に、供給体制が整ってしまえば、閲覧する端末は、使いやすければなんでもいいと思う。iPad対Kindle、ガラパゴス対ソニーリーダーなんてのは、実は些細な小競り合いなのです。

すべての書籍を電子化し、紙の書籍は公共性の高いもの、人気作、著名作など一部に絞る。あと、電子書籍も求めに応じて即座に紙の書籍にできるオンデマンドの出版体制も整備する。読みたい本をいつでも読める、いつでも作品を発表できる。電子書籍は、紙の書籍を駆逐するものではなく、紙の書籍がカバーできない出版の裾野を広げる、電子のフロンティアなのであります。

iPad用にマンガを買ってみたが

もうすこしがんばりましょう。

iPadで読むために、マンガをオンラインで購入。書籍の新品がなってのもあるけど、デジタルでマンガが読めるかを試してみたかった。専用ビューワをiPadにインストールするが……この画面サイズは、iPad用じゃなくてiPhone/iPod touch用ではないか! 画面を倍のサイズで縦表示にすれば、それなりのサイズで1ページを見られるが、微妙に見にくいというか、違和感がある。なんかボケてるんだよね。なまじ、大きな画面で見ているものだから、紙の書籍にくらべて解像度が低いのが目につくのかも。デジタルデータでマンガを読むには、さらなる高精細化と、反応の超高速化など、ブレイクスルーが必要ですな。