サムスは優秀なボンクラであれ『METROID other M』

知力が足りなくてちょうどイイ!

Nintendo Wii『METROID other M』を英語+字幕設定でクリア。アイテム回収率100%達成。シアターモードにて、日本語版でストーリーを再確認。ハードモードは未プレイです。宇宙の賞金稼ぎ、サムス・アランを操作して、凶悪な宇宙生物メトロイドと対峙するおなじみの展開。Wiiリモコンひとつで、快適にプレイできるアクションゲーム。ストーリーとアクションの融合が図られており、ムービーシーンと自身で動かすアクションシーンの違和感の少なさが特筆モノ。アクションがいちいち格好良くて、うまくプレイして素敵なサムスを演じたくなります。以下、ネタバレ感想。

シリーズの定番として、サムスは序盤で弱体化させられる運命にある。今回は、銀河連邦軍時代の元上官の命令ということで機能を封印させられる。それはい。それはいいのだが、この元上官という奴が曲者。コイツは優秀すぎるのだ。なまじ優秀なばっかりに、アイスビームが効かない最強のメトロイドはセクターゼロごと放逐され、人類に絶望して大暴れするはずのラスボス候補は、能力をフルに発揮できず射殺されてしまう。さらには、死んでサムスにとって永遠の完全者として心に刻まれるという徹底ぶり。恋愛展開に持ちこめないという制約上、これは最大限のハッピーエンド。

対するサムス嬢はといえば、何となく救難信号に呼びよせられてみれば、元上官に能力を封じられ、コキ使われ、ギリギリピンチにならないと能力が使わせてもらえないというMプレイを強制される。謎の敵の正体はついぞつかめず、出会った女にはことごとく逃げられ、だまされ、強敵をけしかけられる。どんなに強大な力を持ち、強大な敵を倒せても、ついうっかりやらかしちゃう。サムスは、かように優秀なボンクラでなくてはなりません。

ゲームをプレイする上で、知っておいたほうがいい情報が多すぎることと、デリーターやMBといった今回の独自設定が消化し切れてない点が残念ですが、ストーリー重視にしてはムービーを観せられている感が少ない意欲作。この路線で、予備知識なしでもプレイできる完結した続編を希望します。

サムズダウン!

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