ディープな散策『人力車が案内する鎌倉』

転倒防止ストッパー無しが、本格派の証。

青木 登著『人力車が案内する鎌倉』を読んだ。現役の人力俥夫、「有風亭」の青木氏による鎌倉案内。本書は2部構成になっており、1部は人力俥の歴史と、有風亭が鎌倉で観光人力俥の営業を開始(1984年)してから現在(2003年)までの足跡。2部は人力俥による鎌倉観光の口上を文章化したもの。

人力俥というと、鎌倉駅前の二の鳥居付近に何台か客待ちをしているのは知ってましたが、乗ったことはなかった。大別すると、人力俥夫には、企業、個人、趣味人の3種類の方がいるそうです。著者は個人で営業されている。鎌倉での営業開始直後は客足が伸びず、苦労されたそうですが、地域に密着した地道な営業と、結婚式場の送迎を専属業務とできたことで収入が安定。その後、鎌倉に大手企業が参入して苦戦しつつも、現在にいたる。

基本は押さえつつも、観光ガイドに載っている以上のディープな知識が得られる良書です。

──と、結論を述べただけではツマラナイので、本書に載っている場所を、裏駅(鎌倉駅西口)周辺を中心に、何カ所か訪れてみた。鎌倉在住なので、ちょっと歩けば行ける場所なのです。

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扇ヶ矢にある洋館、古我邸(P181)。鎌倉の歴史的建造物。

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寿福寺(P175)。北条政子が建立した寺。

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海蔵寺(P177)。紅葉の名所だそうですが、みんな散ってました。

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海蔵寺内にある、「鎌倉十井」のひとつ、「十六の井(P178)」。岩をくりぬいた中に、16個の井戸がならんでます。ここは別料金で100円。

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「鎌倉十井」のひとつ、「底抜の井(P178)」。尼さんが、桶の底が抜けた拍子に、うっかり悟りを拓いてしまったのが由来だそうです。

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旧川喜多邸(P150)。いずれは映画記念館になると紹介されていますが、2010年1月現在、その工事が進められていました。

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日蓮上人辻説法跡(P155)。日蓮上人が南無妙法蓮華教の布教活動をした場所。若宮大路の東側に平行して走る細い道に、「小町大路通り」だの「日蓮辻説法通り」だのと大仰な名前がついているとは知らなかった。

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大巧寺(P198)。安産祈願の寺で、花の名所。境内を抜けると、若宮大路と小町大路通を移動できます。

鎌倉に住んでいるので、個々の場所は知っているのですが、そこにまつわる知識が加味されると、散策がより楽しくなる。2003年の情報なので、閉鎖してしまった場所もありますが、それを確かめるのも一興。そのうち、観光人力俥にも乗ってみたいですな。

「ディープな散策『人力車が案内する鎌倉』」への2件のフィードバック

  1. >酒# 童人
     
    この本が面白くて、知ってる場所なのについ、でかけてしまいました。
    お寺ばかりですけど、機会がありましたら、ぜひお越し下さい。

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