映画『ハンコック』ウルトラ・スーパー・デラックス野郎

映画『ハンコック』をDVDで鑑賞。

超人なんだけど、素行不良で世間からは困ったヒーローとして認識されている主人公、ハンコックがプロモーターのアドバイスで、まっとうなスーパーヒーローにイメチェン成功したと思ったら……という話。アメリカのスーパーヒーローは、すくなからず自国を擬人化している要素があるようですが、力はあるけどつかいかたがなっていない暴力バカな初期型ハンコックは、なるほど、どこぞのテロとの戦いに熱心な国を彷彿とさせます。罪をみとめ、謙虚さ──もしくは、謙虚な印象をあたえる演技力──を身につけた後期型ハンコックはしかし、意外な現実と対峙しなければならない。ここらへん、定石なら主人公と同等以上の能力を持った悪者が敵対するところだけど、微妙にそうはならないところが、興味深くはある。主人公ハンコックがあの国なら、相手は紅茶の国かウォッカの国か……あれこれ深読みするのも一興でしょう。

困ったスーパーヒーローといえば、藤子・F・不二雄ファンなら、「ああ、ウルトラ・スーパー・デラックスマンね」で、かたづいてしまうわけですが、USDマンが無敵なまま、無敵であるがゆえに最後をむかえたのに対し、ハンコックは意外な理由で弱体化する。アイデアとしてはおもしろいけど、アクションを盛りあげる要素にはなっていないのが惜しい。無敵超人を苦しめるのも大変だね。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください