日本でクルマを普段使いするだけなら、AT免許を取得すべきでしょう。
自動車免許取得時にしばしば議論になるのは、MTで取るべきかATで取るべきかという問題。僕の場合は、ATが主流でもとりあえずMTでとっておけという時代だったので、MTで取得しました。ただ、免許取得後にほぼAT車にしか乗ってこなかったので、資格上は運転可能でも、実用レベルでは怖くてMT車は運転できませんでした。エンストコワイ。坂道コワイ。
昨年、MT車のセカンドカーを購入し、いまもMT若葉マークとして研鑽を積んでますが、それ以前に自動車学校でMT車のペーパードライバー講習を受けたり、MT車のレンタカーを借りて、あるていど練習して自信をつけてました。AT車にくらべ、MT車は走行中に考えることが多いので、いまだにベストな走りができているとは言いがたい。うっかりエンストさせちゃうこともしばしば。エンストさせることへの恐怖はなくなりましたが、絶対にエンストさせたくないなら、AT車しか乗らないことです。
MT免許を取得したなら1年ぐらいはみっちり練習して、公道を走れる自信をつけるべき。でないと、MTのペーパードライバーからリハビリするのは困難を極める。AT車でも、ペーパードライバーで運転に自信がない方はおられると思いますが、レンタルするなり知人のクルマに乗せてもらうなり、リハビリの手段には事欠かない。でも、MT車ではやる気があっても気軽に乗れるMT車が、なかなかに見つからない。MT車持ちの知人がいればいいですが、なかなかに難しい。レンタルしようと思ってもスポーツカー的なMT車がほとんどで、そういうクルマはおしなべて運転の練習には貸出不可、なんて注釈がついてる。ではレースゲームで練習できるかといえば、これも難しい。プレステ5にてグランツーリスモ7を使用し、ハンドルコントローラ、ペダル、シフターの環境を持ってますが、あまり実車の練習にはならなかった。なぜかというと、低速時の微妙なクラッチ操作感覚が、ゲームでは再現されていないから。ゲームの車はサーキットでの全力走行を再現することを前提としており、街乗りでの低速走行をシミュレーションすることを目的としていないのでしょう。グランツーリスモにも、運転練習につかえる街乗りモードを追加してくれないかな。
以前は、AT車よりMT車の方が速いし燃費がいい、なんていわれましたが、現代の高性能車はパドルシフトの多段AT車が主流なわけで、HシフトのMT車は速くもなければ燃費がいいわけでもない。エンストの可能性が高く、スムーズに運転するには相応の技術が要る。AT車なら楽々運転できるのに、わざわざ面倒なMT車に乗る意義はうすい。MT車の運転に必要な注意深さを身につけることで、AT軍の運転精度も向上したと感じますが、必須ではない。それでも乗る価値を感じられるなら、MT免許を取得して、MT車に乗る意義はあると思う。だから僕は、あえてMTのセカンドカーを買って、運転を楽しんでるワケです。
結論として、現代日本で確実にMT車の運転練習ができるのは自動車学校のみなので、MT免許でペーパードライバーになるくらいなら、AT免許を取って、必要なら限定解除をするのがいいと思う。AT免許はカッコ悪い、なんてのは古い価値観だろうから、MT免許はオプションだと思うべき。仕事で必須とか、自宅にMT車があるとか、あえてMT車を運転したいなど、特殊な事情がないかぎり、日本でクルマを普段使いするだけなら、AT免許を取得すべきでしょう。