味は墨守した、まかない料理『塊魂 ノ・ビ~タ』

雇われシェフの、マニュアル料理だなぁ。

PS Vita『塊魂 ノ・ビ~タ』をダウンロード購入。せっかく新しい携帯ゲーム機をゲットしたので、なにか専用ソフトをやってみたかった。雪玉を転がして大きくするように、様々なオブジェクトを巻き込んで巨大な「塊」を造る3Dアクションゲーム。塊魂シリーズといえば、初代『塊魂』と『みんな大好き塊魂』にハマッて、がっつり遊びました。素敵なゲームデザインと、魂に響くウンドが素晴らしかった。しかし、それ以降の作品は意図的にプレイしないできた。今回もVitaを買わなければプレイしなかったであろうタイトル。

ひさびさにプレイした塊魂ですが、HD画質になって、タッチパネル操作で塊を縦横に引き延ばせる機能が追加。とはいえ、プレイ感覚は良くも悪くも初代から変わっていません。エンディングまで1日で到達してしまうボリュームには拍子抜け。やり込み要素は残っているけど、フルプライスのソフトとしては物足りないです。あいかわらずの塊魂で、面白くはあるんだけど、驚きはなく、感動も薄い。たとえるなら、隠れた名店と評判のレストランへ、ひさびさに訪れた感じ。かつて堪能した「フルコース」と同等のメニューを頼んだら、出てきたのは「まかない料理」だった。当時のシェフは辞めてしまい、雇われシェフがマニュアル通りにコストを意識した料理を造っていたのだ。味は一緒でも、かつて堪能したフルコースにはおよぶべくもないことを確認し、そっと店を去る。やっぱり、無理に行く必要はなかったな。

マシンパワーが上がっても大きな進化は見られないだけに、塊魂は初期2作で完成していたのだと再認識したVita版でした。