ふたつじゃ不十分『ブレードランナー』ワークプリントを観る

ふたつで十分なのは魚だったのか!

映画『ブレードランナー 製作30周年記念 コレクターズBOX』を購入。近未来のロサンゼルスを舞台に、脱走した人造人間レプリカントと、それを追うブレードランナーこと主人公デッカードの対決を描く。猥雑とした街並みや、美麗なメカニズムが、後世に多大な影響を与えたSF作品。複数のバージョンが存在し、コレクターズBOXはすべてを網羅するのですが、今回は『ブレードランナー』ワークプリントを観る。

ワークプリントというのは、劇場公開前に一部の人に観てもらい、リサーチするためのバージョン。劇場公開されたものとは微妙に違ってる。オープニングが簡素だったり、最初の劇場公開版にある主人公のナレーションがほとんどなかったり、ラストの逃避シーンがなかったり。むしろ、後に公開されたバージョンに近い内容。当時は説明不足とされたみたいだけど、今観るとこれで十分。屋台の親父が発する謎セリフ「ふたつで十分ですよ」の正体が、丼に盛られた魚2匹のことだと判明。

おおむね違和感はないのですが、クライマックスで主人公がレプリカントに追われるシーンで流れる曲には違和感があった。サスペンス調で、なんか刑事ドラマのクライマックス風で、たしかに主人公は刑事の一種かもしれないけど、ここだけは悲壮だけど荘厳さがある劇場版の曲のほうがベストマッチ。そして、ラストのヴァンゲリスによるテーマ曲がないのもガッカリポイント。

テスト版だけに荒削りな部分はあるけど、未見のカットが観られて満足です。