『漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」』に不撓不屈の情熱を見た

本音と建前は万国共通なのかな。

小島 剛一著『漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」』を読む。前著が面白かったので、その続編とあらば読まないわけには行かない。単一民族、単一言語である建前のトルコで、少数民族の言語を研究するという政治的に危険な立場の著者が、いったんは国外追放となりながら、再度トルコの地を訪れ、調査研究、発表を続ける。前著と比較すると、文章が攻撃的になってるけど、これは前著の方があててマイルドな表現に抑えていたことがわかる。

どこの国にも、良い人もいれば悪い人もいる。そのあたりまえのことを、あたりまえに受け容れ、情熱と覚悟を持って、不偏不党を貫きながら研究を続ける姿勢には感服します。自分のような半可通には到底およびもつかない世界を垣間見られて、非常に勉強になりました。