ある帰宅難民の帰宅

東北地方太平洋沖地震』の翌朝、襟首の深い痛みで目覚めた。

首が廻らず、寝返りが打てない。昨夕は長時間、肩かけカバンを下げたまま歩いたからだろうか。東京から歩いて、川崎の親戚の家に転がり込めたのは僥倖だった。すでに実家とも連絡がつき、たがいの無事は確認されている。昼すぎには川崎を出て、JRで鎌倉へ向かう。横須賀線は大船-逗子間しか動いておらず、東海道線で大船まで。車内はまばらに立ち乗りの客がいる程度。動いたり止まったりという、間欠的なペースで南下する。ようやくたどりついた鎌倉は、週末にもかかわらず閑散としている。このご時世、この交通状況で観光に来る物好きは、さすがに少ないらしい。

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おだやかな土曜日。帰りがけの道すがら、行きにはなかった、早咲きの桜を観る。それでも春は近い。

■付記

震災当日の、地震発生から川崎までの『歩いてわかる生活リズムDS』による歩行記録。

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