なるほど納得『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』

好景気だから消費が増すとは限らない。

藻谷浩介著『デフレの正体 経済は「人口の波」で動く』を読む。景気いいといわれても、消費が増えているという実感がなかったり、百年に一度の不況といわれても餓死者もなければ失業者の群がデモをしているわけでもない。そんな、巷間に伝わる経済状況と、生活者としての実感との不一致をうまく説明してくれる本。

つまるところ、お金を一番使ってくれる若い層にお金がまわらない社会構造になっているので、消費が落ち込むということ。団塊の世代がリタイアして、若い労働者人口が減っているのに、給料も減らされれば、たしかに消費が増えるはずもない。本書は改善案も提示されているけど、ここらへんは異論もあるところ。でも、現状を把握した上でどうすべきかを考える土台とするには、とても参考になる本です。