冷たいドリル『海底軍艦』を観た

地に潜り、空も飛ぶよ!

東宝特撮映画 DVDコレクションVol.4で、1963年の映画『海底軍艦』を観た。ネタバレ注意。地上征服をもくろむ「ムウ帝国」と、旧日本軍の残党が極秘に開発した海底軍艦が激突する。本作で有名なのは、何と言っても海底軍艦「轟天号」。ドリルのついた戦艦が空を飛ぶという、男子のロマンが詰まった素敵メカ。主力兵器は、何でも絶対零度に凍結させる冷線砲。海底軍艦という名前以上に、陸海空を自在に駆ける万能戦艦です。

先日鑑賞した1973年版『日本沈没』は、特撮に経年劣化を感じさせるものの、骨太なストーリーで楽しめたので、『海底軍艦』も期待していたのだが、こちらは子供のころは面白くても、大人になって見返すと「アレレ?」となる感じ。大日本帝国復興を企図して建造された「轟天号」が、世界帝国たる「ムウ帝国」の凶行を阻止するため、いわば毒をもって毒を制す形で世界の危機を救うところや、怪竜マンダとの死闘、恋や親子の確執と言った、面白くなりそうな要素が、軽く流されているのはもったいないと思った。尺の都合か、拉致国家であるはずの「ムウ帝国」女帝が、あまりにも簡単に拉致られたのには、参った。とにかく轟天号がカッコイイので、その勇士を見る価値はありますけど、それ以外が物足りない感じ。

ドリルの先端が、回転時に前後へピストン運動しているのが、萌えポイントです。