「感想」カテゴリーアーカイブ

米国視点の任天堂『ニンテンドー・イン・アメリカ』を読む

日本の以上にブレイクしてたんですね。

ジェフ・ライアン著『ニンテンドー・イン・アメリカ: 世界を制した驚異の創造力』を読む。京都で花札やトランプを売っていた玩具メーカー、任天堂がゲーム機メーカーとして日本はおろか米国まで制してしまった偉業を、米国視点で描く。任天堂が世界企業に成長した軌跡は知っていたつもりだけど、本所を読むと、いかにマリオが米国で人口に膾炙していたかがわかる。ただ、ゲーム機で成功した日本企業ならソニーだって一定以上の成果を出しているし、任天堂だけが凄いというわけでもない気が。

あと、翻訳の問題だろうけど、米国で発売されたゲームを日本名で紹介されるのに違和感あり。たとえば「MOTHER2 ギーグの逆襲」なら米国名は「EarthBound」、「光神話パルテナの鏡」なら「Kid Icarus」というタイトルで発売されているのに、日本名オンリーの表記。せっかく米国視点の本なんだから、米国名も併記して欲しかった。あとは、原著の問題か翻訳の問題か、説明に違和感を感じる部分もありますが、失敗とそれに勝る成功を積み重ねて名を成した任天堂の一代記は、非常にエキサイティングで読み応えがありました。

出先で鑑賞『WOWOWメンバーズオンデマンド』

見逃しても安心。

出張でビジネスホテルに泊まってる。時間に余裕があるので、iPadを使って『WOWOWメンバーズオンデマンド』を利用。WOWOW契約者限定で、一部の放送をネット配信してくれる。番組数はそう多くないけど、見逃した番組を好きなタイミングで観られるのは便利。機器の要件がシビアで、仕方なく初代iPadで観ました。Windows 8のタブレットでも観られるのか? 画面の小ささはいかんともしがたいですが、出先の時間つぶしには丁度良いです。

悲劇の名車か、失敗作か『誰が電気自動車を殺したか?』

革新的ではあっても、実用的……なのか?

1990年代の電気自動車、GMの『EV1』にまつわるドキュメンタリー、『誰が電気自動車を殺したか?』を観る。EV1は2人乗りの小型電気自動車。環境に優しい次世代の乗り物として一部で評価されるも、企業のエゴと環境政策の転換によって物理的にも社会的にも文字通り「潰された」悲劇のクルマ。というスタンスで描かれているんだけど、実際はどうなんだろう?

昨年、電気自動車の日産リーフに試乗したのですが、動力性能は普通の乗用車として何ら問題ないものの、航続距離が150キロ程度と短いのが気になった。本作に登場するEV1の航続距離は100キロちょっとだけど、実用的には問題ないという描かれ方でした。でも、同等のガソリン車なら300~500キロは行けるし、値段も安い。環境性能に優れるから我慢しろというのは厳しいでしょう。街乗り用のセカンドカーとしては使えても、1台目のクルマとして買えるモノとは思えない。

実際に電気自動車が受け入れられるためには、運動性能は同等以上で、航続距離は同等、値段は割高だけど10年乗るならガソリン車よりお得、ぐらいに性能アップとコストダウンが必要でしょう。本作で検証しているように、電気自動車の普及を望まない勢力がいるのは事実だと思う。けど、当時も今も電気自動車は進歩すべき余地が多いし、真に発展すれば守旧派を駆逐して、主流となりえるだろうとも思う。

現段階ではガソリン車が優れていると判断したので昨年、普通乗用車を買いました。最新のハイブリッド車ですら、価格差をペイできるほど安くなっていないし、電気自動車など論外。ガソリン車だって燃費も環境性能も高まってますし。でも、次に買い替える時は、電気自動車が選択肢に入るかもしれない。どうなるか、今から楽しみです。

電子書籍『ホンダジェットの冒険 紆余曲折、四半世紀の開発物語』を読む

それでジェットなんだな。

電子書籍『ホンダジェットの冒険 紆余曲折、四半世紀の開発物語』をNexus ‘で読む。日経のBP STORE用アプリで購入したけど、できればもっとメジャーなプラットフォームで読みたかった。自動車メーカーのホンダが、なぜビジネスジェット機に参入したかがわかりやすくまとめられている。日経の記事を集めたものなので、ちょっとスクラップブック的な感じはするけど、どのあたりが革新的なのかが良くわかりました。普通は機体後部に設置するエンジンを、翼の後方上面に配置したのがポイントか。損得勘定もするけど、それ以上の航空機に対する執念が感じられました。2013年から客先へ引き渡されるというホンダジェット。いっぺん乗ってみたいけど、ビジネスジェットじゃ乗る機会はないだろうな。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観る

えっと、前作は観たっけ?

アニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を劇場で鑑賞。前作も劇場で観たはずなんですが、冒頭からの怒濤の展開にハテナの嵐。どうやら、かなり話がブッ飛んでるらしい。物語のあらすじだけで、ネタバレになりそうな感じです。なんかこう、『ふしぎの海のナディア』の後半戦を彷彿とする展開は、やっぱこういうのが好きなんでしょうね。途中で話が切れてるので、最後まで観ないと感想はなんとも。

狼人間育児録『おおかみこどもの雨と雪』を観た

もののけか、ぽんぽこしかないのか?

アニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』を劇場で鑑賞。ネタバレ注意。狼男と結ばれた女性がシングルマザーとなり、狼に変身できる娘と息子を育てる物語。おおかみこどもたちの動きが可愛いし、今風のキャラ萌えも感じられるデザインも良い。ジブリアニメではないけれど、昨今のジブリ作品よりジブリっぽい印象。お子様のやんちゃっぷりは『となりのトトロ』っぽいし、結論は『もののけ姫』と『平成狸合戦ぽんぽこ』っぽい。自然と文明社会との接し方としては、これ以外の結論はないのかな。育児に奮戦するパートは良かったけど、終盤の同時進行な展開は違和感があった。人として暮らすか、狼として暮らすかの決断を、なし崩しではなく、覚悟を持った描き方にした方が良かったと思う。

自然と文明、どちらか一方を選択するのではなく、双方とうまく距離を取り、仲立ちをする、みたいな結論にしても良かったのではないかと。

『楽天Kobo』本体で検索すれば良かったのか

連携アプリに頼らなければOK。

購入したばかりの電子書籍リーダー『楽天Kobo』。Windows用の連携アプリから書籍を検索したら上手く行かず、ちょっとイライラしてた。だが、Kobo本体で無線LAN接続してストア検索すれば、ちゃんと欲しい本が出てくることがわかった。書名の一部でも全体でも、しっかり検索できる。Koboちゃんは悪くない。お詫びの意味も込めて、『這いよれ!ニャル子さん』の3巻を購入。イラストはモノクロだけど、ちゃんと全画面で表示される。GALAPAGOSで2巻を買った時は、豆粒みたいなサイズでガッカリしたので、これは良い。ただ、問題というか仕様上気になるのはスリープモードにした時。

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電子インクの特性を活かし、現在読書中の本の表紙がスリープ中でも表示される。紙の書籍なら、カバーを掛ける所ですが、この絵が表示されたままの機器を持ち歩くのは、ちょっと……。ラノベに偏見はないつもりだけど、正直キツイです。コレ、消せないのかな?

■2012/07/23追記

設定>スリープモード&電源オフにて、スリープモード画面と電源オフ画面の「本の表紙を表示」チェックを外すと、規定のスリープ画面が表示されます。

『楽天Kobo』が届いた

現状だと、なかなかしんどいぞ、コレ。

楽天のブックリーダー『楽天Kobo』が届いた。コンパクトなパッケージに、機器とケーブルとペラ紙のみという簡潔さが、ちょっとApple製品を思わせる。

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セットアップはパソコンに専用アプリをダウンロード、インストールしてからUSB接続する。楽天IDとパスワードを入力し、Facebookとの連携を設定すれば完了……かと思ったら、ケーブルを外すとシステムのアップデートでしばし待つ。アップデートと再起動が完了し、使ってみるが、プリインストールされているのは青空文庫の名作系のみ。軽いのは良いけど、ページの書き換えにワンテンポあるのは若干ストレス。ためしに、何か1冊買ってみようかと思ったら、専用アプリの使い勝手が悪い。

レスポンスが悪い上に、専用アプリ検索性がイマイチ。電子書籍サイトではとりあえず「ニャル子さん」で検索することにしている。検索される本が「這いよれ!ニャル子さん」シリーズのみなのが良い。で、「ニャル子さん」で検索してみたのだが、引っかからない。ラインナップにないのかと思ったら、ちゃんとある。正式なタイトルである「這いよれ!ニャル子さん」で検索しても、引っかからない。「ニャル」で検索したら、ようやく引っかかった。あと、本によってはタイトルに巻数が表示されないものがあり、表紙画像の小さな数字で巻数を判別しないといけないものがあった。う~ん、わかりにくい。

存在する本になかなかたどりつけない段階で、かなりイライラする。スタートしたてのサービスなので、品揃えが薄く、版権フリーの青空文庫ばかり目立つのは仕方ないにしても、欲しい本が見つけづらいのは早急に改善して欲しいです。とりあえず、プリインストールされた、夏目漱石の「坊ちゃん」でも読んでみます。

わからないことがわかる『地球について、まだわかっていないこと』

地球の人口は、多く見積もっても240億人なのか。

山賀進著『地球について、まだわかっていないこと』を読む。地球科学について、まだはっきりわかっていないことを紹介する本。わかっていることを書いている本は多いですが、わからないことがわかる本というのは面白い。地球の内部構造についても、地球温暖化についても、原子力問題についても、人口爆発についてもわからないことは多く、それでも何らかの判断をしなければいけないということか。